日本の絵本作家である宮西達也氏のティラノサウルスシリーズ原画芸術展「宮西達也ティラノサウルス癒しの旅」が、浙江省寧波市の寧波文化広場で行われている。宮西達也氏のティラノサウルスシリーズ作品初の海外展となる今回の展覧会では、このシリーズ誕生以来の原画や自筆原稿百点以上と、今回が初公開となる鉛筆書きの原稿50ページ以上が展示されている。中国新聞網が伝えた。
宮西氏は、「子供のころに感じた楽しさ、悲しさ、感動といったものが、私の創作の原点」と話す。宮西氏によると、2003年に「ティラノサウルスシリーズ」を創作したのは、絵本のストーリーを通じて愛や善良さを子供たちに伝えたいと思ったからだという。宮西氏は、「ティラノサウルスシリーズ作品では、父と子の愛、母と子の愛、友情などさまざまな形の愛を描いた」と語った。
2019年は宮西氏のティラノサウルスシリーズ誕生16周年にあたる。2003年に1冊目の「おまえうまそうだな」が出版されて以来、同シリーズ作品は中国や韓国、フランス、米国など多くの国で翻訳・出版され、世界の累計販売数はすでに1000万冊をはるかに上回っている。ティラノサウルスシリーズは現在すでに中国で7バージョンが出版されている。
今回寧波市で開催中の海外初となるティラノサウルスシリーズ作品展覧会について宮西氏は、この展覧会を通じて「絵本は子供だけのもの」という固定観念が破られ、愛や希望が「年齢の違いを超えて癒しをもたらす」ようになってほしいと考えている。宮西氏は、「絵本は子供だけのものではない。0歳から99歳の人まで、誰もが絵本を読むことができる」と語った。
宮西氏は、子供のために絵本を選ぶ際は「流行りに乗る」のではなく、「その本が売れているから買うのではなく、保護者が読んで良いと思い、共感したら買うようにするべきだ」との考えを示した。
どのようにして優れた絵本を創作するのかについて宮西氏は、絵本の言葉の表現は非常に重要だとした上で、「絵本では、ぎこちない難解な言葉で物語を語るのではなく、平易な言葉で心の中で思っていることや感じていることを表現する」と語った。
また宮西氏は、「誰でも話すことはできるし、文字を書くこともできる。でも言葉で人の心を動かすとなると難しい。絵本の言葉の表現は自然で身近なものであるべきで、さりげなく、簡単で分かりやすく、子供でも分かるような表現でなければならない」と語った。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年9月5日