ナビだけじゃない!中国衛星測位システム・北斗の応用が加速中 

人民網日本語版 2019年09月12日09:30

中国の衛星測位システム・北斗をめぐる大きなニュース2つが最近、相前後して発表された。中国青年報が報じた。

8月31日、中国・ロシア衛星測位重大戦略提携プロジェクト委員会第6回会議が開かれ、両国は、北斗とロシアの衛星測位システム・グロナスの互換性と相互運用性を実現させることで合意した。これは、世界の衛星測位システムにおける新たな提携スタイルと見られており、世界に中国の北斗の発展成果をシェアする新たなスタートが切られたことを意味する。

また、8月初めには、中国衛星測位システム管理弁公室の指導の下、高精度位置情報サービス企業「千尋位置」が主催する「北斗スマート製造者計画」が発表され、一括した北斗の高精度測位の技術力が示された。それにより、北斗の応用はさらに加速すると見られている。

「千尋位置」の陳金培・最高経営責任者(CEO)は、「一般の人はそれほど高精度の位置情報を知る必要はないかもしれないが、人間にサービスを提供しているロボットや物体は必要としており、それらは精度が高いほど高い能力を発揮して、人間にハイクオリティのサービスを提供できるようになる」と説明する。

陳CEOは取材に対して、「高精度測位は、北斗をGPSなどの世界の他の衛星測位システムと異なる差別化サービスの一つ。これまでは、『北斗はあまり応用が進んでいない』と言われていたかもしれないが、今後は高精度の北斗の応用は増えていくことになるだろう。自動車やスマホ、ドローンなど、開発された高精度測位の需要は5%にとどまり、95%以上の高精度測位に基づくイノベーションがまだ発掘されていない」と指摘した。

例えば、三角形の停止表示板にも、北斗の高精度測位能力が応用されている。

車両が故障したりすると、ドライバーは車両を停めて停止表示板を設置する。中国の交通法規でも、運転中に車両が故障して移動できなくなった時、追突事故などの発生を防ぐために、すぐに車の後ろに停止表示板を置かなければならないことになっている。都市の道路の場合、少なくとも車両から50メートル離れた位置に置き、自動車道や高速道路の場合、少なくとも150メートル離れた位置に置かなければならない。

2018年、千尋位置の開発者はその停止表示板に少し改造を加え、誤差1メートル以下の北斗の高精度測位サービスと通信モジュールを埋め込んだ。そうすることで、停止表示板が、その位置情報を誤差1メートル以内で発信し、それを受信した地図アプリ・高徳地図のシステムが直ちに地図上に事故発生地点を表示できるようになった。それを見たドライバーは、より早い段階で必要な対応を取ることができる。

陳CEOは、「現在、イノベーション、起業の分野を見ると、高精度測位に詳しい人が、モノのインターネットの開発に詳しいというわけではない。そして、モノのインターネットの開発に詳しくても、高精度測位のことはよく知らないという人も多い。しかし、モノのインターネットには、位置の正確な感知が絶対に欠かせない。今後、北斗を代表とする高精度測位が、第5世代移動通信システム(5G)と同じように、人類の重要なサポーターとなるだろう」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年9月12日 

  

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング