「おひとり様用家電」は中国の新たな消費トレンドか? (2)

人民網日本語版 2019年12月03日09:58

「おひとり様用家電」のヒットは消費の高度化の表れ

「おひとり様用家電」がトレンドとなっていることで、現代の人々の新たなニーズが満たされており、家電メーカーは新たな変化にうまく対応している。

業界関係者の多くは、「中国の世帯規模は日に日に小さくなっているというのが、『おひとり様用家電』が大ヒットしている主な原因」と声を揃える。上海金融・法律研究院の研究員・劉遠挙氏は、「これまでは、『3人暮らし』というのがスタンダードだったが、今はそれが『夫婦二人暮らし』と『子供一人暮らし』という、2つの小型世帯に分かれるようになっている」と分析する。

生活を楽しむ方法が増え、消費が高度化しているというのも、「おひとりさ様用家電」が人気となっている原因の一つだ。ECプラットフォーム・蘇寧易購を見ると、炊飯器や電気ポットなどの定番のキッチン家電のほか、ミニオーブンや料理用ミキサーなどの「おひとり様用家電」の販売量も大幅に増加しており、それぞれ前年同期比で102%増、855%増となっている。

家電メーカー・小米傘下のスマート家電メーカー・米家のブランド責任者は、「消費者がより高い審美眼と消費能力を備えるようになると、個性的なニーズを満たす高品質の製品を購入して、自分の個性や生活に対する姿勢をアピールする人が増えていく。『おひとり様用家電』が大ヒットしているのは、消費が高度化していることの具体的な表れだ」との見方を示す。

「おひとり様用家電」市場が非常に活況になっていることで、メーカーも新たな商機を見出している。社会・経済が発展し、年収が2万ドル(1ドルは約109.7円)を超える若者がますます増えている。これは、先進国(地域)に仲間入りする所得の面のハードルでもある。「人々の所得が増加すると、質の高い生活を送りたいという人も増加する。そんな中、各種機能を備えた『ミニ家電』は、より質の高い生活を体験させてくれる」と劉氏。

「おひとり様用」の製品やカスタマイズ製品は海外でも人気になっている。上海社会科学院社会学研究所の楊雄所長は「特に、日本などで、現地のメーカーがさまざまなグループを対象にし、さまざまな機能を備えた、さまざまなデザインの製品を開発している。『おひとり様用家電』は、質の高い生活をしたいという人々の願いを満たしている。市場が拡大を続けているのを背景に、人々の『質の高い生活をしたい』という願いはその他の分野にも波及していくだろう。現在、日本などでは、『おひとり席』を設置する飲食店、一人カラオケ専門店などが登場している。そのような、ユニークなサービスを提供する店に、中国でも今後大きな商機となるかもしれない」と分析する。 (編集KN)

「人民網日本語版」2019年12月3日

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