また観光消費層は三、四線都市へと拡散している。そのうち、張家界や義烏、喀什(カシュガル)などの都市の潜在的消費力が引き続き発揮され、2019年の1人あたり消費額は前年同期比で50%以上増加した。
一方、海外への旅行では、中東などの地域がますます人気となっている。2019年には、セルビアやウズベキスタン、ジョージア、ベラルーシなどマイナーな目的地への旅行予約数が前年同期比で100%以上増え、「90後」(1990年代生まれ)がその主力だった。
そして、中国人観光客が最も多く訪れた旅行目的地も日本だった。
観光の動機が多様化、テレビドラマ・映画のロケ地が「聖地巡り」で人気に
2018年と比べると、観光客の海外旅行の動機はより気ままで自由なものになった。1本のテレビドラマや映画、1回の音楽フェスティバル、1回のマラソン大会も、「じゃあ行ってみようか」と旅行に行くきっかけになり得る。
報告書によると、映画「飛馳人生(ペガサス)」やドラマ「都挺好(ALL IS WELL)」、アニメ映画「千と千尋の神隠し」などの作品が放映された後には、作品のロケ地を多くのファンが次々と訪れた。ドラマ「長安十二時辰」は西安観光ブームを巻き起こし、携程プラットフォームで西安行きの飛行機チケットの検索数が140%激増した。
テレビドラマや映画のほか、グルメも「食いしん坊」たちが旅行の行き先を決める要因になっている。彼らは、旬のザリガニが出回るようになったり、上海ガニの水揚げが始まったりすると産地に出かけて行き、火鍋を食べに成都に行く。一部の食材の名産地や名物料理のあるところには、必ずと言っていいほど「食いしん坊」たちの姿がある。2019年の上海ガニシーズンには、蘇州や舟山、寧波などへの旅行の予約が殺到し、一部のホテルでは予約が前年同期比で100%増となった。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年12月26日