李氏は、「日本の立場には確かに揺らぎはあるが、さきの中日韓経済貿易閣僚会合では日本の態度は積極的であったし、地域経済協力一体化は大きな流れであるため、全体としてはよい方向に進んでいる」との見方を示した。
中国社会科学院の張蘊嶺学部委員は、「2国間の要因の影響により、中日韓サミットは長らく開かれてこなかった。昨年に再開したものの、今年は韓日関係の緊張状態がエスカレートし、サミットが再び頓挫するのではないかと多くの人が懸念した。よってサミットが開かれたことだけでも一種の積極的なシグナルの発信であると同時に、3ヶ国が昨年の声明で打ち出した首脳同士の会談を維持して中断しないという約束の着実な履行でもある」と述べた。
張氏は、「現時点で日本はインドが参加するRCEPの署名を積極的に推進したいとしており、中国が署名に先立ってインド向けの何らかの保障合意を形成する必要があるとの見方さえ打ち出した。しかし実際の操作においてこのような先例はなく、現在の状況の中では、中日韓が一緒に話し合うことがより重要であり、実際的な方法を見いだしてRCEPが来年にスムーズに署名・可決されるかどうかを見届けることがより重要だ」と述べた。
中国は各種企業を平等に扱う
李総理は同日、「中国は対韓貿易、対日貿易で赤字を抱えるが、貿易赤字があるからといって保護主義を大々的に打ち出すことはしない。中国の対外開放拡大の堅持は確固不動たるものであり、開放のドアは閉じられないだけでなく、ますます大きく開かれていく。中国は市場化、法治化、国際化したビジネス環境の創出に努力し、各種所有制の企業を差別せず、平等に扱う」と述べた。
今年8月、山東省、江蘇省、広西チワン族自治区、河北省、雲南省、黒竜江省の6省・区に設立された6つの自由貿易試験区が発足した。現在、中国には数段階に分けて認可された18の自由貿易試験区がある。自由貿易試験区の一層の拡大は、開放の新たな版図が形作られつつあることを示す。
また李総理は、「中国はこれから製造業の全面開放を踏まえて、サービス業の対外開放の歩みを加速し、証券、先物取引、ファンド、生命保険の分野における株式の外資比率の制限を前倒しで撤廃し、さらに多くの分野で外資系企業の独資経営を認める」と述べた。
工業・情報化部(省)は12月23日、2020年の重点業務計画の中で、質の高い発展にプラスになる良好な環境を創出し、商用車の製造における株式の外資比率の制限撤廃を実施すると指摘した。
一月前には、19年版市場参入ネガティブリストが発表されたばかりだ。新リストには「高齢者ケア機関の設立許可」の開放措置など131項目が列挙され、18年版リストより20項目少なく、13%減少した。来年1月1日には「中華人民共和国外商投資法実施条例(案)」が「外商投資法」の施行に合わせて実施される予定だ。
中国は今、ますます重要な役割を果たすようになっている。中日韓三国協力事務局(TCS)の2代目事務局長を務めた岩谷滋雄氏は、「中国は今、東アジア経済の中核になりつつある。中国がこれからも引き続き東アジア地域の経済発展のリーダー役を務め、周辺諸国を良い方向にけん引してくれることを願う」と述べた。
データによると、今年1-11月に、全国で新たに設立された外資系企業は3万6747社に上り、実行ベース外資導入額は8459億4千万元(1元は約15.7円)に達して前年同期比6%増加した。
李総理はサミットの中で、「韓日企業が地理的に近いという優位性を生かして、中国の開放拡大のチャンスをつかまえ、より多くのビジネスチャンスを獲得して、互恵・ウィンウィンをよりよく実現することを歓迎する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月26日