第一財経データはこのほど、30社を超えるデータ協力パートナーとともに「2019年中国インターネット消費生態系ビッグデータ報告」を発表した。ビッグデータの視点から切り込んだ、20年の中国消費市場の成長源が示されている。中国新聞網が伝えた。
20年の成長源には次のようなものがある。
小都市や農村市場:評価が低いが実は宝の山でブルーオーシャン
阿里影業のプラットフォーム「灯塔」がまとめたデータによると、四線以下の都市で映画観賞が急速に浸透しており、コメディに最も人気があるという。細切れの休息時間に、小都市や農村の人々はショート動画やライブ配信を見ることを娯楽とする。これと同時に第一財経商業データセンター(CBNData)の「報告」では、小都市や農村の市場では人口に対する動画配信数の割合がその他のユーザーを上回り、ここから小都市や農村の人々は作品を見るだけでなく、自ら創り出すことにも非常に熱心だということがわかる。またネット有名人と達人は小都市や農村の人々がトレンドに触れるときの窓口であり、ネット有名人と「おそろい」は都市の規模が小さくなるほど市場に占める割合が高くなる。
Z世代:心でふれあう「純度」の高い交友関係
消費では「顔面偏差値」を重んじるが、交友関係では「気が合う」ことをより重視するZ世代は、自分を「ラベル化」して、ネットで見知らぬ人々と交流することを好む。Z世代は情熱あふれる猫好きでもあり、「報告」によれば、「猫をかわいがる」ことに夢中だという。「クラウド・ペット見守り」の積極的な参加者であり、ペット動画コンテンツの制作者でもある。
ミレニアル世代のパパ・ママ:「子どもをかわいがる」ためならどこまでも追求する
「報告」によれば、ミレニアル世代のパパやママは子育てで細かい点まで追求することから、「ベビー・子ども専用」の新製品がたくさん出回って流行しているという。ミレニアル世代の親たちは成熟した、全面的なリスク管理意識をもっている。企業社員向け保険サービスプラットフォーム・保険極客のデータでは、ここ2年間に子どもを対象にした保険商品を購入するミレニアル世代の親の割合と平均支出額がどちらも上昇している。また「報告」は、ミレニアル世代の親の約6割が「1歳未満の子どもを連れて海外旅行に出かけ、本当に小さい時から世界を見せたい」と考えていると伝える。目に映る世界を広げるだけでなく、ミレニアル世代の親は子どもの理系的思考能力の育成も非常に重視しており、子ども向けプログラミング教室が徐々に人気を集めているという。
シルバー族:生きることを楽しみ、いつまでも「若々しく」
モバイル決済は暮らしを非常に便利にした一方で、モバイル決済になじめない人には多くの不便をもたらした。これは「テンポが半拍遅れる」シルバー族がインターネット時代になって遭遇した「世間の厳しさ」だ。しかし状況は改善されつつある。データによれば、ここ4年ほどの間に、ネット利用者に占めるシルバー族の割合は6.7%から13.6%に増加した。同時に、オンライン消費者のうちシルバー族は1.6倍のペースで増加している。またオンラインソーシャルコミュニケーションを行うシルバー族は今や少数派ではなく、データによれば、ここ1年でショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」で活躍するシルバー族のネット有名人は増加率が400%を超えたという。
キャラクターのコラボ:勢いに乗り、新しい魅力を
オンラインデータによると、過去約1年間に業界の枠を超えたコラボ商品の数が爆発的に増加し、18年の2.7倍に達し、消費額の増加率はオンライン消費の増加率全体の8.5倍になったという。コラボする商品の種類もますます多様化し、主流の衣類、服飾品、靴、バッグのほか、化粧品、文房具、小型家電、食品なども新たな成長分野で、猛烈な勢いで伸びている。ブランドとブランドのコラボ、ブランドとデザイナー・ネット有名人のコラボ、ブランドとキャラクターのコラボなど、何もかもがコラボの対象になり、各ブランドの華やかで目を引き、勢いよく新たな魅力を引き出す万能薬になっている。伝統文化のキャラクターといえる故宮の宮廷文化を例にすると、茶器ブランドとのコラボ商品では、「千里江山図」の詩情と中国の茶文化の禅の思想が融合し、相乗効果により、消費者の共感を呼ぶことに成功し、消費者はプレミア価格のこの商品を喜んで買い求めた。
小規模ニーズ:ニーズが支点、製品がてこ
おひとり様経済が盛んになる中、一人で食事をするのは気まずいことではなくなったが、いかにかっこよく、楽しく食事をするかが求められるようになった。インスタント食品をみると、自■(口へんに海)鍋をはじめとするインスタント火鍋が「一人メシ」のシーンで急速に売上を伸ばす新品目になった。「健康な暮らし」と「美しいボディ」のニーズがぶつかり合う中、代替食品が機運に乗じて誕生し、世界中に広がった「糖質制限」の概念が代替食品のつかむべき市場のチャンスになった。糖質ゼロの代替食品ブランド・超級零の場合、製品開発では効率、便利さ、おいしさを重視し、消費者が短期間で製品の性能を着実に確認できるようにし、この業界で成長のダークホースになっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月27日