商務部(省)対外貿易司は30日に「中国自動車貿易の質の高い発展報告(2019年版」を発表した。その中で、「今後数年間の中国自動車貿易の発展ついては、▽中国ブランド自動車メーカーによる海外市場への展開が強化される。▽外資ブランド自動車の輸出規模が引き続き拡大する。▽新エネルギー自動車分野で海外進出の歩みが加速する。▽中古自動車の輸出のポテンシャルがさらに発揮され、輸入自動車が高品質化・新エネルギー化の方向へと発展する」と予測した。「北京商報」が伝えた。
同報告は中国ブランド自動車の海外展開について、「自動車産業が対外開放を持続的に拡大し、市場が低迷を続けるのにともない、中国ブランド自動車の主要メーカーは輸出・国際化発展戦略の制定と実施を加速させている。大まかな統計によれば、中国自動車メーカーの海外工場の生産能力はすでに150万台を超えた。上海汽車集団は20年に自動車の輸出量と海外販売量を合わせて35万台以上にする計画だ」との見方を示した。
同報告は外資ブランド自動車の輸出について、「中国の対外開放の水準がさらに上昇し、完成車の合弁会社の出資比率が次第に緩和されるのにともない、主要外資ブランド自動車メーカーはグローバル市場の戦略的展開の準備調整を進めており、既存の合弁会社の株式を保有したり独資で工場を建設したりするなどの方法を通じて、中国での自動車の生産・輸出の規模を拡大したい考えだ」との見方を示した。
たとえば東風悦達起亜汽車の場合、同社は新エネルギー車分野への研究開発投資を引き続き増やし、輸出製品のラインナップを拡大し、販売の多様化を促進し、「一帯一路」(the Belt and Road)諸国と新興市場を重点的に開拓する計画だ。19年の輸出計画は2万台以上で、25年は10万台を突破する見込み。
同報告は新エネ車の海外進出について、「主要国の省エネ・汚染物質排出削減の法規制が日に日に厳格になる中、新エネ車は次第に未来の自動車市場の主要な成長分野になっていく。これからの数年間、中国の新エネ車輸出は急成長を維持して、中国自動車貿易の安定した成長を牽引する新興パワーになることが見込まれる」との見方を示した。
中国自動車工業協会が発表したデータによると、19年上半期の中国の新エネ車輸出は前年同期比99.3%増加した。このうち比亜迪(BYD)をはじめとする新エネバスが欧米などの先進国及びチリ、ペルー、ブラジルなどの新興市場に大量に進出しており、18年には欧州市場での新エネバス占有率は20%を超え、英国市場では60%を超えた。
同報告は中古車の輸出について、「中国自動車製品の品質が向上を続けるのにともない、中古車をめぐる状況も目に見えて改善し、中央アジア、アフリカ、東南アジアなどの地域の発展途上国にとっては価格が安く、品質が確かな中古車へのニーズは大きい。中国の中古車は新興市場への輸出で大きなポテンシャルを秘めており、中古車輸出によって自動車部品とメンテナンスサービスの輸出も牽引されるとみられる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月31日