WHO事務局長が感染拡大阻止の「好機」を逃さないよう呼びかけ

人民網日本語版 2020年02月07日14:14

世界保健機関(WHO)は4日、スイスのジュネーブで新型コロナウイルスに関する技術報告会を行った。WHOのテドロス事務局長は発言のなかで、渡航や貿易の制限など「国際保健規則」(IHR)に合致しない制限措置を取らないよう再度強調し、関係国に感染拡大阻止の「好機」を逃さず、WHOと新型コロナウイルス感染症例に関する情報を共有し、団結して感染拡大を食い止めよう促した。人民日報が伝えた。

テドロス事務局長は新型コロナウイルス感染による肺炎の最新統計データを報告し、「現在、感染の99%は中国で発生している。国際社会はパニックになる必要はなく、感染拡大予防・抑制の『好機』を逃さず、団結して対応するべきだ」との考えを示した。そのため、テドロス事務局長はWHO加盟国に対し、詳細な情報共有、渡航・貿易制限の回避、官民の協力による対応という3点を要請した。

テドロス事務局長は、「現在22ヶ国からWHOに制限措置の報告がなされている。これらの国は制限措置の期間を短縮するべきであり、しかも制限措置は公共衛生上のリスクに見合ったものでなければならないと同時に感染状況が変化した場合は速やかに調整するべきだ」と述べた。またテドロス事務局長は各国に対し、IHRに合致しない制限措置を取らないよう呼びかけ、「こうした制限措置はパニックの拡大や特定国に汚名を着せるといった影響を及ぼす可能性があり、公共衛生にとってのメリットはほとんどない」と述べた。

テドロス事務局長は、「現在、中国以外の感染症例のうち、WHOが完全な感染症例報告を受けているのはわずか38%しかない。高所得国のなかには、WHOとのデータ共有においてその他の国にはるかに遅れを取っているところもある」とし、「こうした国に対応能力が欠けていることがその理由だとは思わない」と述べた。またテドロス事務局長は、「詳細なデータが提供されなければ、WHOは感染状況の変化とそれによって起こる可能性のある影響について評価を下すことが難しくなり、最も合理的な勧告を行うことができなくなる」とし、すべてのWHO加盟国に対し、義務を履行し、迅速に流行病学や臨床症状、コミュニティ調査・研究など感染者関連の詳細な情報を共有するよう呼びかけた。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年2月7日 

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