要注意!ウイルスと同時に拡散するデマがある

人民網日本語版 2020年02月07日09:22

 新型コロナウイルス肺炎による感染がなおも拡大するなか、真偽を見極めがたい噂が続々と伝えられている。喫煙でウイルス感染を予防できる、(生薬の)板藍根と酢の組み合わせで新型肺炎を予防できる、度数の高い酒を飲むことでウイルスの活性を消失させる……このほど複数の専門家が取材に応じ、新型コロナウイルスによる肺炎に関するデマを否定した。科技日報が伝えた。

◆度数の高い酒でウイルス活性が消失?

国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チームメンバーを務める中国工程院院士の李蘭娟氏は取材に対し、「75%の(医療用)アルコールはこのウイルスを殺滅できる。そのためこれを購入し、頻繁に触れる部分を定期的に消毒するのも良いだろう」と述べた。

しかし李氏はインタビューで「飲酒」については言及せず、医療用アルコールで携帯電話を拭き、両手を消毒するのは効果的と指摘しただけだ。

我々が頻繁に口にする「度数の高い白酒」の度数は50−60%の間で、殺滅能力は決して高くない。またコロナウイルスの感染は呼吸器を経由する。飲酒は消化器に入る。腹に入った酒はすぐに吸収され血液中に入り、代謝によって分解される。ウイルスと接触する機会はなく、抗ウイルス効果を持つことはあり得ない。

◆喫煙でウイルス感染を予防できる?

首都医科大学宣武病院胸部外科首席専門家の支修益氏は取材に対し、「この説には科学的な根拠がない。あるヘビースモーカーは喫煙期間が長く、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患などを患っており、もともと抵抗力が低いため、どの疾患にかかる確率も、非喫煙者を大幅に上回る」と述べた。

科学普及類微信アカウント「果殻」もデマを否定し、「喫煙はウイルス感染を予防できないばかりか、体の抵抗力を弱める。喫煙の際に手が何度も口と鼻にふれるため、ウイルスが体内に入りやすくなる。喫煙中にマスクを着用できなくなるため、自身への保護も不十分になる」と指摘した。

◆塩水でうがいすれば予防できる?

広州医科大学付属第一病院は微博(ウェイボー)公式アカウントで、「当院の鐘南山院士のチームが正式にデマを否定した。塩水のうがいは口腔と喉の洗浄に有益で、咽頭炎に効果的だ。しかし新型コロナウイルスは呼吸器に進入するため、うがいでは呼吸器を洗浄できない。次に、塩水が新型コロナウイルスに対して殺滅作用を持つとする研究結果は出ていない」と指摘した。

生活における塩による防腐は、浸透圧の差の原理を利用したものだ。高濃度の塩水は細胞質を細胞外に移動させ、細胞から水を抜き死亡させる。しかし塩水のうがいで新型コロナウイルスを予防するのは非現実的だ。

まず、コロナウイルスは主に呼吸器の粘膜を通じ体内に入る。うがいで洗浄できるのは消化器で、解剖の部位を見ればまったく異なる。次に、コロナウイルスはいずれもRNA分子と外膜タンパクからできており、細菌のような整った細胞構造を持たない。そのため浸透圧の殺菌の原理は無効だ。最後に、うがいに用いられるのは一般的に薄い塩水で、殺菌できる濃度に達するのが難しい。濃度を高く作ったとしても、うがい後に絶えず分泌される唾液によって急速に薄れてしまう。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年2月7日

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