新型コロナウイルス感染による肺炎の医学研究にこのほど、新たな進展があった。ウイルスの生存期間はどの程度だろうか、ウイルスに現在変異が生じているだろうか。湖北省は3日午後9時、中央指導チーム医療治療特別記者会見を開いた。専門家チームは人々の関心事に答え、科学的な対策・治療方法を提供した。科技日報が伝えた。
国家衛生健康委員会専門家チームメンバーを務める中国工程院院士で、天津中医薬大学学長の張伯礼氏、国家衛生健康委員会専門家チームメンバーを務める東南大学附属中大病院副院長の邱海波氏、国家衛生健康委員会専門家チームメンバーを務める北京地壇病院感染二科主任医師の蒋栄猛氏が記者会見に出席した。
◆一定条件下のウイルスの生存期間は5日
蒋氏は「ウイルスは飛沫と接触により広がる。飛沫は通常、くしゃみやせきにより生じる。空気中における飛散距離は非常に限定的で、およそ1−2メートルだ。飛沫は人体から出るとすぐに沈み、空気中を漂うことはない。つまり空気中にウイルスは存在せず、ウイルスが空気中でどの程度生存するかという問題も存在しない」と指摘した。
飛沫は周辺の物体の表面に付着する。手を触れることでウイルスが付着し、さらにその手が触れる物体の表面、例えばドアの取手、エレベーターのボタンなど滑らかな物体の表面などでは、数時間生存するとの研究結果が出ている。
温度と湿度が適度であれば、数日生存する可能性がある。例えば摂氏20度で湿度が40−50%であれば、ウイルスは5日生存するとの研究結果がある。これに基づけば、ある人がくしゃみをする時に手などで遮らない場合、ウイルスはドアの取手やエレベーターのボタンを汚染することになる。もし次の人が手を洗わず、接触した後に目や鼻をこすった場合、ウイルスは接触により広がってしまう。そのためこまめに手を洗うことが特に重要だ。
◆ウイルスに今のところ変異はなし
ウイルスの拡散により変異が生じることが懸念されている。実際にインフルエンザウイルスは変異しやすいが、コロナウイルスは一本鎖のRNAウイルスであり、相対的安定している。変異する可能性があるものの、インフルエンザウイルスと比べれば確率が低い。
とはいえ、変異が生じることについては依然として警戒が必要だ。この感染状況全体において、我々は最近になり2・3次感染者の感染の程度が弱まっていることに留意している。ウイルスに変化が生じたのか、あるいは他に原因があるのかについて、関連機関は緊密にモニタリングしている。少なくとも現在の証拠を見る限り、ウイルスの変異は現れていない。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月5日