マスクなぜ供給不足? 原因は原材料の不足など

人民網日本語版 2020年02月04日10:06

マスクが手に入らない状況に直面し、このほど調査した結果、現在の市場におけるマスクや消毒液などの新型肺炎対策製品の供給不足は、主に企業の人手不足、原材料不足と密接な関係があることが分かった。「経済日報」が伝えた。

働ける従業員が少ないということが難問の1つだ。感染の爆発的拡大はちょうど春節(旧正月、今年は1月25日)連休の直前にあたり、ほとんどの企業が操業を停止するか半停止の状態にあった。浙江欧潔科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)は同省湖州市で唯一、使い捨て医療用マスクの免許を持つ医療用機器メーカーであり、中国の主要消毒液メーカーでもあり、感染が突如拡大すると、賃金を3倍にして従業員を働かせるとともに、「値上げしない宣言」をした。同社の責任者は、「当社は旧暦の1月2日からマスクの生産を開始し、医療用マスクの製造ライン2本を毎日2交替で稼働させ、1日に大体10万枚を生産している。しかし感染の影響により、当社では現在、実際に現場で働く従業員は通常の70%にとどまり、賃金が上昇し、コストも上昇しながら、マスクの価格を引き上げるわけにはいかず、生産に圧力がかかっている」と明かした。

マスク不足は政府による生産能力の統一的調整配置とも関係があり、資源が相対的に不足している場合、第一線の医療関係者と感染が深刻な地域への供給が優先的に保障される。欧潔公司の関係責任者は、「当社が生産するマスクの90%は地方政府の統一的調達の対象となっており、主にマスクを最も必要とするところに届けられている。現在のような特別な時期における供給方法は市場に出回る量を大幅に減少させる」と説明した。

医療防護用品メーカーを最も制約するのは、なんと言っても原材料不足だ。多くの企業と同様、河南省戈爾医療機械有限公司はマスク原材料の深刻な不足に陥った。同社の関係責任者は、「当社の生産ラインは半負荷での稼働も保障できず、一時は稼働が停止した。旧暦の大晦日(1月24日)の夜には、原材料を使い果たし、元日は稼働停止にするしかなく、材料が届いてやっと再稼働できた。原材料不足に続いてやって来たのは原材料価格の上昇で、マスクの価格が据え置かれる中、多くの企業は『採算割れでの生産』を余儀なくされている。しかし企業が最も頭を悩ませるのは上昇する原材料価格ではない」と話す。

欧潔公司の匿名の責任者は、「原材料価格が少しくらい高くても大丈夫で、感染流行中には企業も社会的責任を果たさなければならないと考える。しかし今は防護用品や消毒用品を製造するための各種原材料や、さらにはパッケージ材料さえも省外のメーカーには販売されず、これまで順調だった産業の供給チェーンが遮断され、生産効率も供給効率も大幅に低下し、市場のニーズに応えることができなくなっている」と話した。

現在、省・自治区・直轄市によって医療防護用品の生産能力には開きがあり、生産能力は高いが原材料は外部頼みというところもあれば、原材料の生産量は多いが完成品を大規模に生産する能力はないということろもある。省・区・市をまたがった管理コントロールが行われれば、大規模生産の能力を備えた企業が原材料を使い果たし、頑張りたいと思いながらもその気持ちを支えるものがない状態に陥り、市場の供給がさらに逼迫することになる。

こうした状況に対し、複数の防護用品メーカーが、「非常時には地域間の物資の流動を推進・加速し、供給チェーンの整備とスムーズな流れを維持し、効率の高い生産供給システムを形成することが必要だ」と呼びかける。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年2月4日

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