天津大学の張雷教授のチームがこのほど天然の生糸に高い抗菌性を持たせる新型生糸の開発に成功した。バイオ医療の分野で重要な応用価値を発揮する見通しだ。関連研究は国家自然科学基金の支持を受けている。同成果は権威ある学術誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」に掲載された。科技日報が伝えた。
ナノシルバーには抗菌性と安全性が高く、薬剤耐性を生みにくいといったメリットがある。すでに抗菌布や機械など、各種抗菌材に広く活用されている。張氏のチームは一連の粒径の異なるナノシルバー粒子を蚕に摂取させ、その各器官における分布・蓄積状況を研究した。
実験結果によると、粒径50ナノメートルのシルバー粒子が、蚕によって最も摂取・移動されやすい。腸の吸収とリンパ循環により蚕の体内に入る量が最も多く、絹糸腺と生糸の含有量が最も多い。このナノシルバーを摂取させ性質を変える方法により生まれる「新型生糸」は、黄色ブドウ球菌や大腸菌など多くの病原菌を撲滅する上、熱安定性が高く、高性能の新型抗菌生糸と言える。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月26日