世界が共有し参考にできる新型肺炎対策は? (2)

人民網日本語版 2020年03月06日10:39

浙江省が感染防止対策を実施し始めた当初、中国工程院院士の李蘭娟氏は、「感染者がたくさん発見されたことは恐ろしくない。むしろ発見漏れが出ることこそ恐れるべき」と指摘した。韓国は現在、感染拡大の山場を迎えており、政府は、疫学に基づいて濃厚接触者を追跡し、新興宗教団体「新天地イエス教会」の感染の疑いのある信者を対象に、大量のPCR検査を実施している。今月1日の時点で、PCR検査を受けた人の数は約10万人に達した。この検査をめぐる、韓国の決意と能力は高く評価すべきだ。短期間で感染の有無が判断できるPCR検査を実施できれば、それに伴い早期発見、早期隔離、早期治療を行うことができる。これは、ウイルスとの闘いに勝利するための基盤となる。

感染者が激増し、現地の医療資源がキャパシティーを超えてしまう国や地域は、湖北省武漢市に設置された方艙医院(臨時医療施設)を参考にすることができる。この施設建設は、武漢市で、感染者が激増し、病床不足が深刻化した時に発案された。感染症予防専門家・王辰院士は、「方艙医院は、患者にとってノアの箱舟のようだ。その設備環境は、正規の病院ほどは整っていないものの、軽症の患者にとっては十分で、病状が悪化した場合にすぐに正規の病院に転院することもでき、秩序立てた治療を受けることができる。方艙医院は、必要最低限の社会資源を利用し、既存の場所に必要最低限の改造を施し、受け入れることのできる患者数を速やかに拡大することができる。最善策というわけではないが、山場となる時期に実行できる重要な措置だ。感染者が爆発的に増加している地域の場合、方艙医院を事前に建設しておくことが重要となるだろう」との見方を示す。

もちろん、国によって、国情が異なり、全ての国が中国の経験をそのまま適用できるわけではない。例えば、中国は全国をあたかも1局の碁の盤面のように1つの全体と見なして統一的に計画し相互に協力するトップレベルデザインを採用することができる。そのため、政府が指示を出すだけで、医療従事者数万人が湖北省へ赴き、緊急支援を展開することができる。また、中央政府の命令に基づき、各省・市がそれぞれ湖北省の指定の地域を支援した。一方、多くの国には地方の自治体があり、その指導者は現地の選挙で選ばれている。省や市が、地元の納税者の金銭や物品、人材を使って他の省や市を支援するというのは難しい。韓国で新型コロナウイルス感染状況が最も深刻な大邱(テグ)は、他の地域に支援を呼び掛けているものの、応じる地域はほとんどないというのが現状だ。

最後に、医療体制の脆弱な発展途上国は、他の国からの支援を切実に必要としている。WHOは1月30日に、「特に医療体制の脆弱な国や地域における感染予防対策などに対するサポートを強化しなければならない。対策を制定し、低所得、中所得の国が、効果がある可能性のあるワクチンや診断ツール、抗ウイルス薬、その他の治療手段を、速やかに開発、獲得できるようにサポートしなければならない」との声明を出した。 2月29日、中国の赤十字会ボランティア専門家団体は、検査キッドを携帯し、テヘランを訪問し、イランの新型コロナウイルス感染防止対策をバックアップしている。

つまり感染の蔓延を食い止めることが当面の急務であり、各国は、さまざまな意見やアドバイス、情報を共有し合いながら、自国の得意分野を生かし、状況に合わせた対策を講じて、ウイルスとの闘いを展開しなければならない。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年3月6日

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