解熱剤で症状を隠して搭乗したら、最高で懲役7年に!

人民網日本語版 2020年03月10日10:00

北京市警察当局は3月7日夜、海外からの輸入症例で、事実通り健康情報を記載しなかったケースがあり、警察による立件調査を行ったと通知した。北京慕公弁護士事務所主任の劉昌松弁護士はこれについて取材に応じ、「『刑法』など関連する法律法規に基づき、伝染病予防妨害罪は3年以下の有期懲役か拘禁刑に処することができ、もたらされる結果が特に深刻な場合は、3年以上7年以下の有期懲役に処される」と述べた。人民網が伝えた。

北京市警察当局の7日の通告によると、 3月4日、廖某君、廖某海ら2家族8人がイタリアから航空機で北京首都国際空港に到着した。そのうち、廖某君、廖某海ら4人から新型コロナウイルスの感染が確認された。調査により、廖某君と廖某海は姉弟の関係にあり、家族とともに長期にわたってイタリアでビジネスをしていた。2月下旬から、2人は相次いで発熱や空咳などの症状が出ていたが、搭乗前に薬を服用し、熱を下げていた。家族の中にも「中華人民共和国出入境健康申請カード」に事実通り記載していなかった状況がみられ、同じ便の搭乗者を感染リスクにさらしていた。6日、順義公安分局は廖某君らが伝染病予防妨害罪に当たるとして、法に基づいて立件し、調査を行った。

劉弁護士は、「本件において、廖某君らは国際線航空機に搭乗する前に発熱や空咳などの症状があった。搭乗時はまだ新型コロナウイルス感染者もしくは感染疑い例だと確認されていなかったものの、搭乗前に薬で熱を下げた行為は、防疫機関の伝染病予防・抑制措置を逃れ、同じ便に搭乗した乗客を感染リスクにさらすもので、伝染病予防妨害罪の構成要件に当たる」と指摘した。

また、中国政法大学刑事司法学院講師の蔡元培氏は、「発熱し咳が出ることがイコール感染疑い例というわけではない。感染疑い例にしても、医療機関による診断が必要で、対応する隔離プランが確定される」と述べたうえで、「本案における廖某らの主な問題は、事実通り報告する義務を履行せず、衛生防疫機関が打ち出した予防・抑制措置に協力しなかったことにあり、『伝染病予防妨害罪』に当たるとして処罰されるのがふさわしい。公安当局は廖某らがウイルスを人に感染させたかどうかを調査ではっきりさせ、それによって精確な量刑を行うべきだ」と強調した。

これより前、寧夏回族自治区や北京市、広東省、浙江省などでも相次いで海外からの輸入症例が確認されており、感染の「逆輸入」が予防・抑制における重要なパートになっている。

劉弁護士は、「非中国籍者や帰国華僑も、中国の領域内においては、中国の法律を遵守しなければならない。関連する法律規定に違反した場合は、領域管轄権原理により、中国の司法機関が管轄権を有しており、中国の法律を適用して罪を確定して処罰し、行政責任を追及することができる」と述べた。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年3月10日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング