完治者の血漿を用いた治療を受けた、武漢市の新型コロナウイルス肺炎重症者6人が退院した。同じ治療法を受けるその他の大半の患者も近日中に退院を予定している。これについて、中国で最も早く血漿療法を発表した国薬集団中国生物を取材し、武漢生物製品研究所の段凱博士から関連状況の説明をしてもらった。科技日報が伝えた。
段氏によると、大半の患者は完治者の血漿を注入されてから48時間内に、PCR検査で陰性に転じた。胸部写真(CT)を見ると、影の部分が吸収・改善されており、主な炎症指標も目に見えて低下した。リンパ球の割合及び血中酸素飽和度が同時に上昇した。段氏は「この治療法の有効性が非常に顕著だということだ。治療中に過度な免疫反応はこれまで見られず、安定性が高いことが分かる」と強調した。
段氏によると、血漿療法の原理は、主に特異性による体内のウイルスの撲滅だ。PCR検査で陽性が出れば使用可能だ。
段氏は血漿療法の推進・拡大について、国家衛生健康委員会の統一計画を受け、この治療法が中国の他地域で使用されており、同じく非常に良好な治療効果を得ていると述べた。
段氏はまた、現在の血漿療法には主に次の2つのボトルネックが存在すると指摘した。まず、完治者からの血漿提供問題だ。血漿提供では血液のごく一部しか使用せず、体の損傷は非常に少ない。通常は1週間ほどで自己修復できる。段氏はより多くの重症者を治療するように、懸念を払拭し自発的に提供するよう呼びかけた。次に、完治者の血漿の正確な使用だ。使用のタイミングが非常に重要で、重症及び重篤症の初期に使うと効果が非常に大きい。
段氏は「軽症者についても血漿治療が可能だが、現在は血漿資源が不足しており、臨床上の余裕がない。限りある資源を優先的に重症に用いることで死亡率を下げるべきだ。「十分な血漿があれば、臨床治療での使用は早ければ早いほど良い」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月9日