トキは世界的な絶滅危惧鳥類と国家1級保護動物で、「東洋の宝石」と呼ばれている。浙江省徳清県で人工飼育されているトキが9日の時点で、卵を2個産んだ。2020年の孵化シーズンが正式に幕を開けた。中国新聞網が伝えた。
トキの孵化シーズンは、例年ならば3月15日前後から始まる。今年はやや暖く例年より早めになると考えられるため、職員は3月に入ると各鳥小屋の状況を緊密に注視するようになった。
徳清県は2008年に陝西省からトキを10羽導入し、下渚湖で「トキ移動保護と浙江省個体群の再構築」プロジェクトを展開した。人工飼育、放し飼い、野外個体群の再構築、自然繁殖などの段階を経て、成熟した馴化・繁殖技術及び野外個体群の再構築育成体系を形成し、トキの数が徐々に増加した。
徳清県稀少野生動物繁殖研究センターの邱国強センター長によると、2019年の孵化シーズンの終了後、同県におけるトキの個体群の数が全国トップ3に入る406羽に達した。
邱氏は「今年の孵化活動に向け、我々は飼料にビタミンなどの補助栄養を添加した。トキ自身の免疫力を強化する。センターは浙江大学と協力し、人工孵化の質と数のさらなる向上を目指している」と述べた。
人工モニタリングと観測の統計によると、同県の放し飼いトキの数は122羽にのぼる。その次の世代も今年、孵化に加わった。
邱氏は「2チームで緊密に注視している。順調であれば十数箇所に巣を見つけることができる。カメラを設置しリアルタイムで見守ることにする。今年の野外孵化数も進展があるはずだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月11日