米国の株式市場は9日、開始直後に暴落し、S&P500の下げ幅が7%に達すると、値動きを制限するシステム「サーキットブレーカー」が発動され、取り引きは15分間停止した。
米株式市場で同システムが発動されたのはこれが2回目で、前回は1997年10月27日にダウ・ジョーンズ工業株価平均の下げ幅が7.18%に達した時で、これは1915年以来最大の下げ幅だった。
9日の取り引きが始まると、ダウ平均は3.37%、ナスダック総合指数は7.21%、S&P500は5.88%、それぞれ下落した。開始早々、下げ幅は急速に拡大し、ダウ平均株価は一時は8%近く下落して下げ幅は2千ドル(1ドルは約103.4円)を超え、2万4千ドルを割り込んだ。ナスダックは下げ幅が一時7%を超え、取り引き中に8千ポイントを割り込んだ。S&P500は2800ポイントを割り込み、下げ幅が7%に達してサーキットブレーカーが発動された。
取り引き再開後、3大株価指数の下げ幅は縮小した。本記事執筆時点で、ダウ平均は5.71%の下落で2万4千ドルを回復し、ナスダックは5.42%の下落で8千ポイントを回復し、S&P500は5.67%の下落となった。
米株価が暴落した原因は?
分析によると、投資家が新型コロナウイルスによる肺炎がグローバル供給チェーンを破壊し、経済が衰退するのではないかとの懸念を強めたため、米株式市場は先週ジェットコースターのように激しく変動した。週末にはサウジアラビアが「原油価格戦争」に再び踏み切り、これがグローバル金融市場の暴落の導火線になったという。米株価の暴落はこの先の更なる乱高下を示しているかもしれない。