イタリア政府高官「自分はマスクと人工呼吸器の密輸業者」
「我が国の医療物資は極度に不足しており、使い捨ての医療用防護服と人工呼吸器が足りず、中古の人工呼吸器でも必要だ。死亡率が高止まりするイタリアでは、人工呼吸器が非常に不足していることから多くの重症者が生きることをあきらめざるを得ない状況だ」。イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州の疾病コントロールセンターの医師はこのほどメディアにこう語った。推計によれば、イタリアでは人工呼吸器が1万台以上不足しているという。
イタリアと同様、スペインも医療資源に限界があり、高齢者が人工呼吸器を外して若い人に譲るよう求められる状況が世界に伝えられる。医療物資不足の問題を解決するため、スペイン保健省はこのほど総額5億7800万ユーロ(1ユーロは約119.2円)の調達合意を締結し、それには中国からマスク5億5千万枚、簡易検査キット550万個、人工呼吸器950台が含まれていることを明らかにした。
スペイン政府は全国の人工呼吸器の総数について専門的な統計調査を行っていないが、スペイン集中治療協会が全国に250ヶ所ある集中治療室(ICU)のうち149ヶ所を対象に行った調査によれば、この149ヶ所に人工呼吸器が2487台あるという。28日現在、スペインにはICUに入った新型肺炎患者が4575人おり、感染状況の拡大にともなってさらに増えることが予想される。