製造業の業務再開を秩序よく推進することは、経済社会の安定とグローバル供給チェーンの安全に関わることだ。現在、製造業の業務再開の状況はどうか。工業運営に影響はあるか。グローバル供給チェーンの安定をどのように維持するか。工業・情報化部(省)の関係責任者は30日午前に行われた国務院共同対策メカニズムの記者会見で、社会一般が関心をよせるホットな話題についてコメントした。新華社が伝えた。
新型コロナウイルスによる肺炎が企業の生産・経営に打撃を与え、産業チェーンの循環が停滞し、工業経済に対するマイナスの影響が生じることは避けられない。
同部の辛国斌副部長は、「これまでの2ヶ月間に、一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の工業付加価値額は前年同期比13.5%減少し、利益は同38.3%減少し、企業の損失率は36.4%に達した。中小企業、労働集約型業界が受ける打撃と影響は大きい」と述べた。
しかし感染症の対策状況が好転し、業務再開が秩序よく推進されるのにともない、工業経済には安定回復の流れがみられるようになった。
記者会見で発表されたデータによると、3月28日までに、全国の一定規模以上の工業企業の業務再開率は98.6%に達し、従業員の平均復帰率は約89.9%となった。鉄鋼業界と電子業界はどちらも復帰率が90%を超え、繊維業界、機械業界、軽工業などは70%から90%の間で、重点業界の業務再開が加速し、生産能力がより一層発揮されていることがわかる。
辛氏は、「多くの地方の声からわかるように、3月の工業経済の運営状況は前の2ヶ月間より目に見えて改善し、一連の業界では生産能力利用率が緩やかに回復上昇した。発電量の減少幅の縮小も生産の回復を物語る」と述べた。
2020年3月26日現在、中国には5Gスマートフォン製品が76機種あり、累計出荷量は2600万台を突破し、このうち20年の出荷量が1300万台あまりになる。一部のハイテク製品は流れに逆らって成長を遂げ、工業経済運営にも原動力を注入した。
辛氏は、「中国には非常に大きな産業規模、整った産業システム、極めて大きな国内需要市場が備わり、工業経済には複雑で厳しい局面に対処する強靱性と活力がみられる。感染症が工業経済に与える影響は段階的なものであり、全体として抑制可能なものだ。しかし世界の感染状況の蔓延が産業チェーンと供給チェーンに与える影響には高度に注意を払わなければならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月31日