「人工肉」商品はヒットする?中国のスターバックスとKFC発売へ (2)

人民網日本語版 2020年04月22日15:26

KFCの人工肉を使った「ゴールデンチキンナゲット」(画像はKFCの公式アプリから)

「人工肉」のメーカーが多忙に

スターバックスとKFCが「人工肉」関連の商品を発売したことについて、あるネットユーザーは、「多くのベジタリアンにはいいニュース」や「やっぱり本物の肉がいいな」などの声を寄せている。

実際には、「人工肉」は昨年から大きな話題となっている。2019年5月、ビヨンド・ミートがNASDAQ市場に新規株式公開すると、初日の終値が163%高を記録し、食品業界や各資本の間で「人工肉」に対する注目が一気に高まった。

中国の人工肉メーカー双塔食品と珍肉食品も昨年9月に、人工肉を使った月餅を発売し、瞬時に売り切れとなった。その後、ドリンクショップ・奈雪の茶も人工肉ハンバーガーを試験的に販売し、人工肉関連商品を店舗で発売した初の飲食ブランドとなった。今月17日、中国の植物由来の人工肉ブランド・星期零(STARFIELD)は、宅配ピザチェーン・パパ・ジョンズ・ピザと提携し、人工肉を使った新商品「未来肉ピザ」を打ち出し、中国全土16都市にある約150店舗でデリバリーの形式で発売した。ピザチェーンで人工肉関連商品を発売したのは同社が初めてだ。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策が実施される中、今年2月以降、人工肉関連の中国概念株の価格が上昇の一途をたどり、現時点で上昇幅は約34%に達している。天風証券は、「都市化が進み、農耕牧畜が縮小しているのを背景に、経済発展においてタンパク質摂取のニーズが高まり、加えて豚コレラなどの蔓延、環境保護団体からの圧力などがあるため、代替肉市場の規模は今後急速に拡大するだろう。19年、世界の人工肉市場は約121億ドル(1ドルは約107.74円)規模だったが、25年には279億ドルに達する見込み」と予想している。

専門家「消費者が受け入れるかは動向観察が必要」

食品産業アナリストの朱丹蓬氏は、「スターバックスとKFCが打ち出した『新善肉』や植物性『チキンナゲット』は本質上『人工肉』食品であり、原料は主にエンドウのタンパク質。『人工肉』は、本当の鶏肉や豚肉ではないため、鳥インフルエンザや豚コレラなどがもたらす食品安全リスクを根本的に回避できる。その他、食材が本当の肉類でないため、ベジタリアンに受け入れられやすく、多くの消費グループをゲットできるだろう」と予測する。

そして、「今回、スターバックスとKFCが打ち出したテスト販売により、消費者の反応を集めることができ、中国人の好みに応じて、エンドウタンパクの割合や風味を調整できる。また、肉類の価格が不安定な現在、『人工肉』関連の新商品を打ち出すことでコストを抑え、メニューの差別化も実現できる」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年4月22日

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