世界中で一世を風靡する中国アニメ「シザー・セブン」

人民網日本語版 2020年05月08日10:53

中国アニメ「伍六七(シザー・セブン)」は、今年1月からシーズン1が米大手動画配信サービス「Netflix」で、オリジナルアニメとして配信され始めた。それから4ヶ月が経ち、シーズン2の「伍六七之最強ヘアデザイナー」の配信もこのほど、同プラットフォームで始まった。文匯報が報じた。

上海で誕生した中国オリジナルアニメ「伍六七」が今、グローバル化の局面を少しずつ切り開いている。

5月7日、■哈娯楽(上海)有限公司(■は口へんに阿)が製作した「伍六七之最強ヘアデザイナー」の配信がNetflixで始まった。シーズン1は今年1月10日に、同プラットホームで世界に向けて配信が始まった。海外のSNSには、「1日でシーズン1を全話見てしまった」、「ユーモアに深みがある」、「見た中で一番おもしろい中国のアニメだ」、「シーズン2、3が待ち遠しい」など、この中国アニメを絶賛する声で溢れている。

シーズン2の配信に当たり、Netflixは豪華な声優メンバーを揃え、英語、日本語、フランス語、スペイン語の吹き替え版を製作。さらに、29ヶ国の字幕版も準備して、190ヶ国・地域に向けて同時配信している。

「伍六七」で起用されている声優の豪華な顔ぶれを見ると、Netflixが同作品にかけている思いがひしひしと伝わってくる。米国のトークショー番組の人気記者や日本の超人気アニメ映画版の声優、フランスの人気コメディアン、Netflixの専属人気声優などが、英語、日本語、フランス語、スペイン語の主人公の声を担当している。他の声優の経歴を見ると、「ズートピア 」や「リメンバー・ミー 」、「Why Women Kill/ワイ・ウィメン・キル」、「NARUTO -ナルト-」などの世界のヒット作品で声優を務めた経験がある。さらには元SMAPメンバーで俳優の木村拓哉の名前もある。

同作品のプロデューサーを務める■哈娯楽の鄒沙沙・最高経営責任者(CEO)は、「世界進出するためのカギは、感情、美的理念、言葉などの面で、文化の壁を越えることだ。言い換えるなら、世界の人におもしろいと思ってもらう前に、まず世界の人が見て、理解できるようにしなければならない。『伍六七』は、中国文化の要素が鮮明なキャラクターで、世界共通のテーマがあり、世界の美的理念にマッチしたイメージが追い風となり、文化の壁を越える『通行証』を手に入れることができた」と語る。

シーズン1のタイトルは「刺客伍六七」。記憶喪失の主人公「伍六七」は、記憶を取り戻すのに必要な費用を稼ぐために、玄武国で表向きには床屋を営みながら、鶏大保に、任務を果たせば記憶を取り戻せるとそそのかされ、殺し屋を始める。ネットユーザーは、髪の毛を頭の上でくくっている伍六七の「案内」の下、中国嶺南地域独特の建築物を見たり、いろんなキャラのキャラクターに「遭遇」したり、中国カンフーの豊富な要素に対する理解を深めたりできるほか、広州テイストのセリフやストーリー展開を楽しむことができる。

目新しく、コミカルで、ユーモラスというのがアニメ「伍六七」の第一印象であるものの、1話1話をじっくりと見ると、その奥深さに気付く。おもしろおかしい表面とは裏腹に、毎回記憶を取り戻すことができない主人公からは、本能的に憎しみや偏見に愛で対抗しようとする姿を目にすることができる。さらに、シーズン2「伍六七之最強ヘアデザイナー」では、ストーリーの深みが増し、さらに大きなスケールで物語が展開する。

アニメ「伍六七」は、2年前にはすでに早くも世界進出の兆しを見せていた。2018年、そのシーズン1は、中国から唯一、アニメ界のアカデミー賞と呼ばれるフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。同映画祭に参加した鄒CEOは、上映されたさまざまな作品の中でも、「伍六七」に対する観衆の反応は特に熱烈だったと感じ、「字幕のないバージョンを見た外国人の観衆も爆笑していた。そこに込められた愛と包容というメッセージ、ストーリーを的確に伝える映像、欧米スタイルでも、日本スタイルでもない、異彩を放つ中国スタイルの画風などの言語の壁を越えた要素が追い風となり、『伍六七』は各国のネットユーザーに受け入れられている」との見方を示す。

しっかりとしたコンテンツが、関連商品開発のしっかりとした基礎を備えていることは注目に値する。フリーミアム音楽配信サービス・QQ音楽で、15元(1元は約15円)の伍六七の音声アルバムは9万7000枚販売され、ゲーム界を見ると、現時点で、「伍六七」が5種類のゲームに登場している。また、漫画「伍六七:黒白双龍」は昨年末にリリースされた。その内容はアニメ版と異なっている。さらに、「伍六七」の映画化の準備も進められているほか、バンダイナムコと提携して、フィギュアシリーズの製作準備も進めている。文化・娯楽産業だけでなく、「伍六七」は業界の垣根を越えて、周黒鴨や京東、蘇寧、361°などのブランドと提携して、商品を打ち出したり、オフラインテーマショップを設置したりもしている。

業界の垣根を越えた連携と海外進出などを展開し、各界・層のエネルギーを集める■哈娯楽が目を向けているのは「未来」だ。「20年から30年、ひいてはもっと先を見てこの作品を作っている。『伍六七』が、2次元(アニメ・漫画・ゲームなどを総じたジャンル)に限らずに、世界で影響力を有する、中国を代表する国民的作品になることを願っている」と鄒CEO。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年5月8日

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