あなたの初モーメンツは?未熟な過去の自分とどう向き合う?

人民網日本語版 2020年05月16日10:32

今年4月で、微信(WeChat)にモーメンツの機能が誕生して丸8年になった。2012年4月、微信4.0バージョンでこのモーメンツ機能が追加された。チャットもでき、モーメンツで友人の生活の様子を知ることもできるWeChatは、さらに一つのライフスタイルのようになっている。中国青年報が報じた。

自分の過去を「消去」する人がいるのはなぜ?

ここ数年、設定を過去3日間のモーメンツだけを他の人が見ることができるようにしている人が増えた。そして、「過去3日間のモーメンツのみ表示」という「区切り」により、初モーメンツはもとより、その人の過去の歴史が消し去られてしまったように感じさせられる。

「過去を消し去れば、過去が私の足を引っ張ることはなくなる」とし、「モーメンツをアップしてすぐに、しなければよかったと思うことがある。3日分残していても多いくらいだ」と話す人もいる。

モーメンツやQQ空間、微博(ウェイボー)などは自分の気持ちを記録するだけでなく、もう一つ重要な機能がある。それは他人に自分がどんな人間なのかを知ってもらうことができるという機能だ。

エリートは常に学術的なニュースばかりを転載し、文芸青年はお勧めのマニア向けの音楽や映画、ドラマなどをしばしば紹介し、グルメ好きはあらゆる地域の料理を紹介し、冗談好きの人は朝から晩までユーモラスな内容を投稿する。このようにその人のモーメンツを見れば、どんな人なのかを知ることができるのだ。

ブロック、消去、削除して、過去の未熟さを認めないというのは、自分を守るために最もよく使われる方法の一つだ。過去の過ちを否定し、覆い隠すことで「今」が脅かされることがないようにするのだ。

過去の自分は本当に「未熟」なのか?

もしかすると過去の自分を、私たちは故意に、または知らないうちに低く評価しすぎているのかもしれない。

ある研究では、大学生に2ヶ月前の自分を評価してもらうと、2ヶ月前の当時の自分に対する評価よりも、自分を低く評価する傾向があることが分かった。そして、事実とは異なり、「進歩していない」と錯覚していた。わずか2ヶ月前であっても、そのような錯覚に陥るのであれば、数年前のモーメンツとなると、「他の人に絶対見られなくない」と感じるのももっともなことかもしれない。

しかし、全ての人が過去を振り返って、自分を低く評価するわけではない。過去に憧れ、あの時は良かったと振り返る人もいる。5年前のモーメンツを見ると、その頃のいろんな記憶が蘇り、記憶と記憶が再び構築される。こうした記憶の再構築の過程で、多くの人は消極的な感情を取り除き、思い出に浸り、なかには過去を自画自賛する人すらいる。

自画自賛する内容は往々にして現在の自分が重視していることではなく、過去に重視していたこととなる。

未熟な過去の自分とどう向き合うべきか?

ある研究では、過去の自分に対してネガティブな姿勢を示す人と比べると、ポジティブな姿勢を示す人のほうが、明るく、健康で、成功していることが分かった。

SNS上で、自分のイメージをどのように形作るかは非常に重要なことだ。特に、新しい友人ができた時には、未熟な過去の自分だけでなく、今の自分の未熟さも知られたくないと感じるものだ。

近年、同じ趣味を持つ人とマッチングできるSNSアプリが続々と登場している。中国では2016年にはすでにそのようなアプリのユーザー数が約5億人に達していた。同時に、「知らない人と交流してもおもしろくない」といった声も少しずつ高まっていった。知り合った当初は、共通の話題で盛り上がっても、数日後には話題がなくなり、そのような「新しい友人」のほとんどのことをもっと深く知りたいとも感じずに、次第に連絡を取らなくなるということが多い。そして、最終的に、現実の世界の友人との交流に戻り、平凡でも、現実味のある生活を送るようになる。

実際には、現実の世界の友人と過ごすほとんどの時間において信頼される行動をしていれば、時々「未熟さ」が露呈してしまっても、そのほうが逆に真実味がある。もしかすると、過去の自分を低く評価することも、自画自賛することもベストアンサーではなく、「本当の自分」こそがベストアンサーなのかもしれない。誰にでも必ず弱点もあるということを認識するようになると、こうした問題は問題ではなくなるだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年5月16日

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