ゲームが浸透する中国の生活スタイル そのわけは?

人民網日本語版 2020年05月11日11:00

(写真提供は新華社)

夏■(火へんに華)さんは50歳を過ぎた自分の母親がフィットネスアドベンチャーゲーム「リングフィットアドベンチャー」に夢中になっているのを見て、ゲームの面白さにどっぷりハマっていた自分の子ども時代を思い出したという。「中国青年報」が伝えた。

フィットネスに着目した「リングフィット」は、2019年に発売されるとたちまち人気が出て一世を風靡した。発売の少し前、30歳の誕生日を迎えたばかりの夏さんはすぐにでも体を鍛えなければと思い、小さい頃からゲーム好きだったので思い切って「リングフィット」を買うことにした。しかし思いがけないことに、家族が自分よりも夢中になってしまった。

夏さんの母親が「リングフィット」の前に遊んだことがある電子ゲームは、自分の農場を大きくする「ハッピーファーム」だけだった。ゲームには詳しくなかったが、「リングフィット」は「すぐに反応」すればよいシステムで、母親が得られる達成感が小さくなることはなかった。プレイ中は、しゃがんだり、腕を振ったり、ヨガのポーズをしたりして、敵に勝つためのパワーを蓄える。ゲームが進行するとさらに多くのフィットネス項目が解禁される。母親はあっという間にゲームに夢中になると同時に、家の中で体を鍛えることにも夢中になった。

夏さんは、「自分の世代が小さい頃から受け入れてきた価値観の1つは、興味や趣味は暮らしの中で役に立たなければならないということだが、ゲームから与えられる感覚はほぼ純粋な娯楽という感覚だった。だからこれまでは自分の好きなゲームを家族に勧める自信がなかった。しかし(付属の周辺機器の)『リングコン』を握りしめている母を見た時、ゲームは単なる娯楽ではなく、一種の『機能』でもあり得るということ、正々堂々と家族の生活の中に入り込めるということに気づいた。今では自分の世界がついに母に向かってほんの少し開かれた感じがする」と話した。

人々を夢中にさせるゲームの特徴の1つは、プレイ中に「すぐに反応」してくれることで、「すぐに反応」が返ってくれば、ゲームはより一層楽しくなり、また『リングフィットアドベンチャー』がプレイヤーにフィットネスを始めてみようかと思わせるように、人々の日常生活にも影響を与える。「すぐに反応」、すなわち「即時フィードバック」の概念について、中国伝媒大学アニメーション・デジタル芸術学院ゲーム学部の税琳琳准教授は、「ゲームの中でする1つ1つの動きにすぐに反応が返ってくる。いい反応だと、そのまま続ければよいし、悪い反応だと、すぐに直すことができる。こうした『即時フィードバック』の感覚は、現実の生活の中ではあまりないことだ。たとえば単語を暗記する場合、一気に200単語を覚えたとして、この成果がもたらすメリットを、すぐに感じ取ることは難しい」と説明した。

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