習近平総書記は2日午後、いかにして「強大な公衆衛生体系を構築し、人民の健康を守るために有力な保障を提供する」かをテーマとした専門家学者座談会を開いた。中国工程院院士で広州医科大学呼吸内科教授の鍾南山氏は、「中国の感染症対策経験及び提言」をめぐって発言した。
鍾氏、「中国は感染状況を隠蔽して報告したことはない。事実で語ろう!」
感染症が発生した後、84歳の鍾氏は国家医療・予防抑制ハイレベル専門家チームのリーダーとして武漢市に入り、専門家チームを代表していち早くウイルスは「ヒトからヒトへの感染が起こっているはずだ」と報告していた。
鍾氏は今回の座談会で次のような観点を示した。
初期に正確な検討・判断を行い、「震源地」だった武漢市の封鎖と、全国範囲での大規模な共同対策を展開するという果断な措置を取ったからこそ、現在中国の感染予防・抑制は段階的な重要成果をあげ、新型コロナウイルス感染症の感染率と致死率は世界中で最も低いものとなっている。
しかし一部の米国人は、「人口を基に平均すると、米国は感染率が最も高く、致死率も最も高い。欧州の多くの国でもこの数値は比較的高く、中国だけが最も低い。ということは、中国は情報を隠蔽して報告を行ったと考えられる」と主張している。
中国が情報を隠蔽して報告したと侮辱する国外の声に対し、中国は釈明をする必要はなく、事実で説明すればいい。
武漢市は2日、全市民に対する集中PCR検査の結果を発表した。5月14日0時から6月1日24時までに、989万9828人を検査した結果、症状のある感染者は確認されなかった。無症状感染者が300人検出されたが、現時点では無症状感染者から別の人に感染する状況は発生していない。これにそれ以前に検査を受けていた人を合わせると、武漢市では累計1090万9千人がPCR検査を受け、ほぼ全市民に対して検査が行われたことになる。
この結果は、以前中国が報告した数値と大筋において一致しており、中国の数値は確かに低いということを事実で裏付けるものでもある。中国が川上における患者コントロール戦略を取ったからこそ、そしてそれをしっかりと行ったからこそ、このような成果をあげることができた。
今回の感染症で、中国は積極的な予防と治療を行う一方で、積極的に総括を行った。これは大きな進歩だ。
私自身が17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)に対応した時とは大きな違いがあった。あの当時、中国は医療による治療だけに専念し、研究に対する総括や、全世界あるいは学術界全体の発展を促進するといった面においては、全体的に言ってあまり注意を向けていなかった。しかし今回は、全力で救命治療に当たる一方で、総括も非常に重視した。自然科学基金委員会によると、5月10日の時点で、国際的な権威ある雑誌に発表された新型コロナウイルス肺炎の予防・抑制に関する論文は計2150本あるが、そのうち中国は650本で、ほぼ3分の1を占めている。こうしたことはこれまではなかったことだ。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年6月5日