中国人民銀行(中央銀行)は18日、2017年の人民元国際化に関する報告書を発表した。それによると、人民元の世界での使用範囲がさらに拡大し、使用ルートもさらに広がった。今後は人民元国際化を着実に推進し、グローバル金融システムにおける人民元の安定した地位を保つという。新華網が伝えた。
これと同時に、人民元の世界での使用状況が緩やかに発展した。人民元の投資通貨としての機能が深化を続け、準備通貨としての機能が徐々に顕在化してきた。17年上半期には、欧州中央銀行が5億ユーロ(1ユーロは約133.7円)相当の人民元を買い入れて外貨準備とした。またシンガポール、ロシアなど60数カ国・地域が人民元を外貨準備に組み込んだ。人民元レート形成メカニズムが絶えず改善され、国境を越えた人民元業務の政策的枠組みも絶えず最適化に向かい、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブに合わせて、人民元の使用も緩やかに拡大を続けることが予想される。
同報告書によれば、16年には人民元の世界での使用が緩やかに推進され、人民元はグローバル金融システムの中で安定した地位を保った。国際銀行間通信協会(SWIFT)がまとめた統計によると、16年12月には、人民元が世界6位の決済通貨になり、市場シェアは1.68%だった。同年10月1日に、人民元は国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)を構成する通貨バスケットに組み込まれ、人民元国際化の重要な一里塚になった。人民元は安定的に世界で2位の国境を越えた決済通貨になっている。16年の国境を越えた人民元建て決済金額は合計9兆8500億元(1元は約17.1円)に上り、同期の本貨・外貨建ての国境を越えた決済金額全体に占める割合は25.2%となり、人民元は6年続けて世界2位の国境を越えた決済通貨になった。16年末には、人民元を使用して国境を越えた決済を行う中国企業が約24万社に達した。
人民元をめぐる国際協力の成果が目立つ。16年末現在、人民銀は世界36ヶ国・地域の中央銀行や金融当局と2国間の通貨スワップ協定を結んでおり、合意した総取引規模は3兆3千万元を超えた。23ヶ国・地域で人民元建て決済が計画され、地域は東南アジア、欧州、中東、北中南米、オセアニア、アフリカなどをカバーして、海外のエコノミーによる人民元の保有・使用が便利になった。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年10月20日
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