今年6月以降、中国南方エリアは度重なる豪雨に見舞われ、多くの地域で水害や土砂災害が発生した。今回の災害で、たくさんの文化財や古跡も被災し、歴史ある橋が流されたり、損壊したりした。新華網が報じた。
中国国家文物局の大まかな統計によると、7日午後4時の時点で、800年の歴史を誇る彩虹橋、500年の歴史を誇る鎮海橋、400年の歴史を誇る楽成橋などを含む、南方エリアの11省にある移動不可能な文化財130件余りが被災し、損失した。これらの歴史ある橋は、地元の発展や盛衰を見つめてきた言わば時代の証人であり、数え切れないほど多くの人々にとって大切な思い出の場所でもあった。しかし、こうした歴史の目撃証人は増水によって、一瞬にして流されてしまったことに、人々は落胆を禁じ得ないでいる。
江西省▲源県の彩虹橋
(画像提供・@Tayor中杯氷美)
■ 俗称 「中国で最も美しい廊橋の一つ」
■ 建設時期 南宋(1127-1279年)
■ ランク 全国重要文化財保護施設
■ 所在地 江西省▲源清華鎮
▲源市(▲は矛へんに夂の下に女)の彩虹橋は、800年以上の歴史を誇り、古代・徽州の最も古く、最も長い廊橋(屋根付き橋)。その名は、唐の時代の漢詩「両水明鏡を夾み、双橋彩虹を落とす」に由来する。全長は140メートルで、幅は約3メートル。現時点で、保存状態が最も良く、設計が最も科学的な、古代の屋根付き橋の一つで、「中国廊橋史上の傑作」と称されている。
7月8日、増水で冠水し、一部が損壊し流された彩虹橋。
安徽省宣城市の楽成橋
(画像提供・瀟湘晨報)
■ 俗称 南河橋、三渓大橋
■ 建設時期 明代嘉靖二十二年(1543年)
■ ランク 安徽省重要文化財保護施設
■ 所在地 安徽省宣城市旌徳県
楽成橋は、旌徳県で最大規模を誇る歴史ある橋げたで、皖南地域では、歙県の太平橋に継いで2番目に大きな石橋と呼ばれている。約470年の歴史を誇る楽成橋の南端には、かつてたくさんの店が並んでいた三渓老街があり、そこでは別れあり、出会いありの悲喜こもごものドラマが繰り広げられてきた。
増水で流された楽成橋。
7月6日、増水で流された楽成橋。4つのアーチのみ残して濁流に呑み込まれた楽成橋。
安徽省黄山市の鎮海橋
(画像提供・黄山日報)
■ 俗称 嫁女橋、屯渓老大橋
■ 建設時期 明嘉靖十五年(1536年)
■ ランク 全国重要文化財保護施設、安徽省重要文化財保護施設
■ 所在地 安徽省黄山市屯溪区三江口
480年以上の歴史を誇る鎮海橋は、明の時代の裕福な商人・戴時亮が、嫁ぐことになった娘のために建設したという逸話があり、「嫁女橋」とも呼ばれている。東の屯渓老街と西の黎陽古鎮を繋ぎ、かつては屯渓の出入口ともなっていた。
三江口に位置する鎮海橋(衛星写真提供・天地図)。
増水で一部が流された鎮海橋。
7月7日、増水した水の流れの強さに耐えることができなかった鎮海橋は流された。橋の構造部分は崩落し、いくつかの橋脚のみ残された。
湖南省馬頭渓の風雨橋
■ 建設時期 明末清初
■ 所在地 張家界市永定区王家坪鎮韭菜▽村(▽は土へんに亜)
風雨橋は、屋根が付いており、雨よけや風よけになることで知られ、渓流の上に建設された橋だ。木造で、遠くから見ると、家にも見える。橋の床の両側には腰掛と柵が設置されている。
2010年に実施された湖南交通文化遺産調査の統計によると、湖南省内には、屋根付き橋である廊橋や風雨橋が約300基ある。主に、同省の西南エリアにある古驛道や湘中茶馬古道に分布しており、馬頭渓風雨橋もその一つだ。
増水で崩落した風雨橋。
6月13日午前、急激な増水で馬頭渓風雨橋は崩落し、流され、橋脚のみ残された。
歴史ある橋の保護をできるだけ早く進めなければならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年7月24日