中国外国為替取引センターが11日に出した公告によると、同日の人民元の対米ドルレート基準値は1ドル=6.1327元となり、前営業日比15ベーシスポイント(bp)低下して、19カ月ぶりに下げ幅の記録を更新した。今年最初の営業日の6.0990元から人民元は0.53%値下がりしたことになる。人民網が伝えた。(1元は約16円、1ドルは約102円)
今月10日の同基準値は6.1312元で、前営業日を111bp下回る大幅な低下となり、2012年7月23日以降で単日の基準値の下げ幅が最も大きな日になった。
国内の人民元スポット相場は2月24日に1ドル=6.0984元でスタートし、低下を続けて3月3日には6.1462元で引け、下げ幅は478bpに達した。その後6日に6.1185元に急上昇して277bp上昇したが、最近になってまた下がり始めた。10日のスポット相場は開始早々334bp低下して、最安値は6.1594元となった。その後やや上昇したが、開始値より約100bp低下した。11日は6.1279元で引け、前営業日比12bp低下した。
ある専門家の分析によると、このたびの人民元レート低下の原因は、7日に米国が発表した非農業部門雇用者数データが予想を上回って好調だったことと、先週末に発表された中国経済データが満足すべきものだったことにある。
金融問題の専門家・趙慶明氏によると、最近、米ドルが強くなっていることが、人民元値下がりの原因の一つだ。あるデータによると、米国の2月の非農業部門雇用者数(調整後)は17万5千人増加し、市場の予測値の14万9千人を上回った。1月は11万3千人の増加で、2月は状況が目立って改善した。ここから米国経済が回復好転し、米ドルの上昇を後押ししていることがわかる。