LEDで光る長い手すり、昇降便座(トイレリフト)、椅子に早変わりするステッキチェア、自動非常通報装置など、これらは全て、高齢者向け住宅に適した設備であり、ますます多くの家庭にも普及していくことになるだろう。
上海市は、高齢者の在宅ケアにおける安全性や利便性、快適性を高める目的で、一部のコミュニティにおいて、高齢者がいる家庭の居室環境に対するシニア向け改造を進めており、高齢者の住まいの快適性に関わる機能の向上、シニア向け設備の増加、リスク要因の排除といった取り組みを試験的に行っている。
黄浦区江陰路88番横丁16号に、南京東路コミュニティ高齢者スマート在宅ケア展示体験センターがある。通路の壁には、高齢者が支えにして歩行できるようにとても長い手すりが設置されている。普通の手すりと違う点は、この手すりにはLEDライトが内蔵されている点で、夜間にスイッチを入れれば、高齢者が夜、トイレまで安全に行くことをサポートできる。寝室には、自動通報装置が備え付けられた介護ベッドが置かれているほか、衣類クロゼットの中にも昇降式ハンガーラックが備え付けられており、車椅子を使う高齢者が衣類を取り出し、また収納しやすくなっている。
キッチンとトイレにも、高齢者に優しいデザインが施されている。たとえば、トイレには、昇降便座や手すりのほか、緊急呼出装置も設置されており、緊急事態が発生した場合、高齢者はすぐに外部に助けを求めることが可能で、生命の安全が保障される。
同体験センターの責任者は、「ここには、自動通報装置が完備されており、寝室・トイレ・洗面所など各スペースから、住民委員会や高齢者の子供たちのところに直接連絡することができる。例えば、高齢者が入浴しているとき、ふだんよりずっと長い時間浴室に籠ったままであれば、システムが非常通報を発出する。いつもは午前7時に起床する一人暮らしの高齢者が、午前9時になってもベッドから出て来ない時も、非常通報が作動する」と説明している。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年9月4日