電波天文分野で世界の20年先を行く「中国天眼」

人民網日本語版 2020年10月27日14:50

最長137億光年先を探査し、感度はドイツを10倍、米国を3倍上回る。さらには「月から電話がかかってきても、ここではっきり聞こえる」。貴州省平塘県に位置する「中国天眼」は現在、世界最大の単一口径の、感度が最も高い電波望遠鏡だ。これは間違いなく大国を代表する製品だ。科技日報が伝えた。

「中国天眼」は2016年9月25日に完成した。一般的には、世界の従来型の大型電波望遠鏡の調整期間は4年以上だが、「中国天眼」は前倒しで調整任務を完了した。全体的な性能が安定的で信頼性が高く、そして調整段階で多くの価値ある科学の成果を上げた。うち146個の優良パルサー候補体(102個が確認済み)を探査し、現時点で世界最高精度のパルサー時間観測を実現するとともに、新たな反復する高速電波バーストを発見した。これらの成果はパルサータイミングアレイを利用した低周波数重力波の探査に重要な条件を提供した。同時に「中国天眼」は偏光校正を実現するとともに、革新的な方法を利用し銀河系の星間磁場を探査した。

主要性能が国際的なトップレベルに達したからこそ、「中国天眼」は今年1月に国による検収に合格し、正式に運営開始したのだ。

「中国天眼」の正式な運営開始後の状況について、チーフエンジニアの姜鵬氏は「私の予想を上回り、現在は毎日20時間ほどの観測時間を確保できる。観測時間の長さは、科学産出の重要な保障だ。5000時間稼働するために少なくとも3−5年は必要と思っていたが、今年これが達成されるとは思わなかった。これには高い信頼性が必要だ」と述べた。

「中国天眼」が発見したパルサーは、9月中旬現在ですでに224個にのぼる。パルサー探査分野について、「中国天眼」はすでに世界の絶対的な一流水準に達している。

「中国天眼」は現在、パルサータイミングアレイ、ドリフトスキャン多科学目標サーベイなど5つの重大・優先プロジェクトを開始している。今後3−5年にわたり、高感度の「中国天眼」は低周波重力波探査、高速電波バーストの起源、星間分子などの先端方向で進展を実現する可能性がある。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年10月27日

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