「ハイブリッド稲の父」と呼ばれる中国工程院院士の袁隆平氏は湖南省長沙市で3日、「我々は現在すでに第3世代ハイブリッド稲二期作の1ムー(約6.7アール)あたり年間生産量1500キログラム突破という目標を達成している。これは非常に大きな突破だ。長期目標は一期の1ムーあたり生産量を1200キログラムに、二期作を2000キログラムにすることだ」と述べた。中国新聞網が伝えた。
第3世代ハイブリッド稲二期作1ムーあたり生産量1500キログラム記者会見が同日、長沙の国家ハイブリッド稲工学技術研究センター(湖南ハイブリッド稲研究センター)で開かれた。その前日、第3世代ハイブリッド稲「叁優1号」の衡南県における二期作晩期水稲試験モデル拠点の現場生産量測定結果が発表された。その1ムーあたり生産量は911.7キログラムにのぼった。7月に測定された早期水稲が619.06キログラムだったことから、第3世代ハイブリッド稲の早期水稲・晩期水稲の1ムーあたり生産量が1500キログラムを突破し、1530.76キログラムに達した。
第3世代ハイブリッド稲は普通陰性雄性不稔系統を母本とし、通常品種と父本として作る新型ハイブリッド稲だ。第3世代ハイブリッド稲の不稔系統は三系法不稔系統の稔性安定と二系法の不稔性の自由な組合せというメリットを持つ上に、三系法不稔系統の組合せが制限を受け、二系法不稔系統の繁殖と種子生産にリスクがあるという欠点を解消したもので、水稲のハイブリッドの優位性を利用する理想的な手段だ。
国家ハイブリッド稲工学技術研究センターは現在、成熟した第3世代ハイブリッド稲育種技術体系を構築し、複数の第3世代ハイブリッド稲不稔系統を選択・育成するとともに、インディカ・ジャポニカ亜種間の長所を利用し、「叁優1号」などの強く優れた組合せを育成している。
国家ハイブリッド稲工学技術研究センターの研究員である趙炳然氏は「袁院士は1500キログラムという構想を打ち出した。すなわち2021年より中国南方8省(市)で、二期作稲の1ムーあたり年間生産量を1500キログラムにする目標に取り組む。第3世代ハイブリッド稲は湖南省の一般性光温生態稲作エリアで栽培する。種をまいてから穂が出るまでわずか75日で、1ムーあたりの穎花数は5800万、1ムーあたり生産量は911.7キログラムにのぼることは、水稲育種の重大な突破であるだけでなく、中国のハイブリッド稲育種技術が引き続き世界の先頭を走っていることを意味し、国家科学技術イノベーションの成果を十分に示している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年11月4日
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