中国、「世界生態環境リモートセンシングモニタリング報告書」を発表

人民網日本語版 2020年11月30日13:49

科学技術部(省)国家リモートセンシングセンターは27日、「世界生態環境リモートセンシングモニタリング2020年度報告書」を発表した。報告書は初めて「南極の大陸氷河の変化」をテーマとしてテーマシリーズに組み入れた。同時に「世界の大口食糧・油料作物の生産と食糧安全情勢」「世界の都市拡張と土地被覆の変化」の専門テーマも発表された。

「南極の大陸氷河の変化」専門テーマは「南極の大陸氷河の氷面の融解は21世紀以降に顕著で、融解面積は南極の大陸氷河全体の面積の19%を占めている。融解は南極の大陸氷河の端部及び南極半島で発生しており、今後もその氷面の融解が増加を続ける見通しだ。特に西南極と南極半島の海面上昇への影響が顕著になる」とした。

特別報告書によると、南極の棚氷の2005年以降の年平均崩壊面積は3411.4平方キロメートルにのぼり、年平均の崩壊質量は7711億トンとなっている。棚氷の底部で融解が激化しており、大陸氷河氷面の融解の加速と海氷の減少により崩壊が大幅にエスカレートしている。気候と海洋の温暖化がその主な原因だ。

南極の大陸氷河の融解が顕著になっている中で、南極の生態系の指標種とされているペンギンは無事だろうか。2000年、14年、18年の3期のコウテイペンギンモニタリングによると、その生息地は主に南極の定着氷上にあり、そして生息地の数が相対的に安定している。海氷と食物の増加により、アデリーペンギンの数が大幅に増加し、生息地が標高の高いエリアに拡張する流れが生じている。

「世界の大口食糧・油料作物の生産と食糧安全情勢」専門テーマは、作物の生産量を見ると、2019−20年の大口食糧・油料作物の生産が全体的に良好だったと結論づけた。今年は地域的な異常気象と農業災害が多発し、世界の食糧・油料作物の生産量に一定の影響を及ぼしている。今年の世界のトウモロコシ生産量は1.2%増、小麦は1.8%増、大豆は0.2%増となり、稲は1.1%減少する見通しだ。報告書は、世界の食糧市場は全体的に安定しているが、新型コロナウイルスなどの影響があり、地域的な食糧安全には不確実性が存在すると予想した。

「世界の都市拡張と土地被覆の変化」によると、今世紀に入り世界の都市が持続的に拡張し、そのペースが上がっている。アジアと北米は世界の都市拡張の重点地域だ。低所得国と比べると、高所得国の土地面積の増加ペースが都市の人口増のペースを大きく上回っている。過去20年近くで世界の都市の土地被覆の構造がやや最適化されており、世界の都市の緑地空間面積が占める割合は27.36%から33.01%に上昇した。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年11月30日

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