今年の「ブラックフライデー」 「ダブル11」に学ぶ欧米

人民網日本語版 2020年11月30日11:21

新型コロナウイルス感染症により欧州と米国の経済は今年、大幅に落ち込んだ。特に感染症対策の封鎖措置によって多くの店が営業を停止し、小売産業はかつてないダメージを受けた。経済を再び活性化し、消費を喚起するため、欧米企業はこの地域の伝統的な年末セール期間「ブラックフライデー」に熱い期待を寄せている。このほど終了した中国の11月11日のネット通販イベント「ダブル11」のコンセプトが、今年初めて欧米企業に大規模に活用され、中国のやり方に学んでセール期間は長くなり、オンラインでのキャンペーンが積極的に採用されている。「環球時報」が伝えた。

欧州:米国人にもうけさせるわけにはいかない

感染症の患者数が高止まりする現実に直面して、米国企業は中国の「ダブル11」に学ぶやり方を選び、2-3週間前倒ししてオンラインを「主戦場」に定め、熱気あふれる「ブラックフライデー」の大規模セールを開始した。これまでの「ブラックフライデー」では、米国の人々は1ヶ月前から業者が郵便受けに送り込むクーポン券を受け取っていたが、今年はほとんど送られてこない。このほどワシントンD.C.付近のアーリントンにあるショッピングモール「ペンダゴン・センター」を取材したところ、例年のような活気は見られず、「メイシーズ」でも例年のような黒山の人だかりはみられず、毎年山のように張り出される広告表示やポスターも見られなくなった。メイシーズの化粧品カウンターのマネージャーは取材に答えて、「今年の『ブラックフライデー』では例年のような大量のチラシやクーポン券は発行せず、オンライン販売に中心が移った。『ブラックフライデー』のオンライン販売でのわずかなチャンスをつかまえて経営を立て直したい」と話した。

ドイツのビジネス誌「ヴィルトシャフツヴォヘ」の19日付報道では、「感染症も『ブラックフライデー』の消費を阻止することはできない!今年の『ブラックフライデー』は11月27日だが、ドイツの業者は中国企業の『ダブル11』のやり方をまねて、この週の月曜日に11月30日の『サイバーマンデー』まで続く『ブラックフライデーセールウィーク』を開始した」という。

ドイツ最大の家電チェーン「メディア・マルクト」ベルリン店を取材すると、店内のいたるところに「ブラックフライデー」のセールを示すさまざまなシールが貼られていた。価格は普段より10-20%ほど安い。マネージャーのマティアスさんは、「『ブラックフライデー』と『サイバーマンデー』の2日間には、店内でサプライズセールも行われる予定だ。たとえば定価約3千ユーロ(1ユーロは約124.0円)のキャノンのカメラなら2600ユーロになる」と話した。

米国の人にもうけを持って行かれないようにするため、欧州メディアは今年、「ブラックフライデー」はアマゾンの専売特許ではないことを繰り返し伝え、欧州の人は自分たちの「ブラックフライデー」を過ごすべきであり、欧州企業のために利益を生み出すべきだとした。フランスでは、政府がアマゾンの「ブラックフライデー」の宣伝広告を停止した。欧州連合(EU)もアマゾンに独占の疑いがあるとして調査を進めている。その調査によれば、フランスとドイツで、アマゾンはECの独占的ブランドとなり、特に今年の感染症で封鎖が行われている期間には、両国のアクティブなECユーザーの半分以上がアマゾンで買い物をしたという。多くのフランス小売企業の責任者が、「感染症でアマゾンは最大の受益者になったと同時に、欧州の小売業は破産の危機に追いやられた」との見方を示す。今年の「ブラックフライデー」には、欧州各国政府も「国民には現地の業者をもっと応援して欲しい」と明確なメッセージを送った。

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