現代のキノコ類(中国科学院南京地質古生物研究所より)
中国科学院南京地質古生物研究所が22日に明らかにしたところによると、中国と米国の科学研究者は最近、中国の貴州省で6億3000万年前の真菌類の化石を発見した。これは世界で今まで見つかっているうち最も古い陸生真菌類化石で、6億年以上前にキノコ、酵母、青カビなどの真菌類の祖先が海から上陸していたことを物語っている。新華社が伝えた。
顕微鏡で見た6億3000万年前の真菌類の化石(中国科学院南京地質古生物研究所より)
今回の研究に参加した中国科学院南京地質古生物研究所の厖科副研究員によると、この新発見の真菌類の化石は貴州省瓮安県の2カ所の白雲岩カルスト洞窟から見つかった。研究者は合わせて20個の岩石サンプルを採取し、髪の毛の細さにも満たない微小真菌化石の菌糸体を千本ほど取得した。これまで最も古かった陸生真菌の化石は今から約4億1000万年前のもので、スコットランドで発見された。新たに発見した化石により、陸生真菌の化石の年代がさらに2億年以上も遡ることとなった。
化石が発見された場所(中国科学院南京地質古生物研究所より)
また研究チームによると、この6億3000万年前の古代真菌類化石は主に2つの部分によって構成される。一部は長さ数百ミクロンの中空フィラメントで、もう一部はフィラメントを結びつける直径10−26ミクロンの中空球体だ。科学研究者は現代の類似する真菌との比較対照により、このフィラメントが真菌類の菌糸体であり、一方で中空球体は繁殖用の無性胞子とみられると推測した。
厖氏は「生物の海からの上陸は、生命の進化の歴史における重要な転換点だ。真菌は開拓の先駆者と呼ばれ、荒れ果てた陸地に活気をもたらすため重要な役割を演じた。今回発見した6億3000万年前の陸生真菌化石は、最も古い陸生高等植物の化石より1億年以上も古い。これは陸地の早期環境や生命の進化の研究に対しても重要な意義を持つ」と述べた。
今回の研究は中国科学院地球化学研究所、中国科学院南京地質古生物研究所、米バージニア工科大学など中国内外の科学研究機関が共同で行った。関連研究成果はこのほど、国際的に権威ある学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年2月23日