中国外貨取引センターの情報によると、6月1日には、人民元の対米ドルレート基準値が前取引日から110ベーシスポイント上昇して、1ドル=6.3572元(1元は約17.2円、1ドルは約109.6円)になり、2018年5月以来の高値を記録した。これで人民元対ドルレートは5月24日から6取引日連続の上昇となった。原稿執筆時点で、オンショア人民元対ドルレートは6.3640元であり、前取引日から33ベーシスポイント低下した。オフショア人民元対ドルレートは6.3631元で同95ベーシスポイント上昇した。「中新経緯」が伝えた。
ドルの6種類の主要通貨に対する価値を示すドルインデックス(ドル指数)は5月31日に低下し、ニューヨーク外国為替市場の終盤には、0.21%低下して89.8378となった。
最近、人民元が上昇を続け、中国人民銀行(中央銀行)はこのために大きな手を打った。人民銀行は5月31日に、「金融機関の外貨流動性管理を強化するために、2021年6月15日より、金融機関の外貨預金準備率を2%引き上げ、つまりこれまでの5%から7%に高めることを決定した」と公告を発表した。
また5月27日に行なわれた全国外貨市場自律メカニズム第7回政策会議で、「目下の外貨市場は全体的にバランスが取れている。今後、相場に影響する市場要因と政策要因はたくさんあり、人民元は上昇する可能性もあるし、下落する可能性もある。誰しも相場の動きを正確には予測できない。短期的であれ、中長期的であれ、相場を正確に予測できないのは当たり前のことで、双方向の変動が常態であり、政府も機関も個人も、予測の結論にミスリードされるのを回避する必要がある」と指摘された、また企業に対して、「人民元レートの上昇あるいは低下に賭けるようなことはしてはならず、ギャンブルをしていれば必ず負ける」と呼びかけた。
中欧国際工商学院の教授で中国人民銀行調査統計司の元司長の盛松成氏は、最近の人民元相場の動きについて、「最近、一部の不適切な言動にミスリードされ、人民元の対米ドルレートに一連のオーバーシュート現象が出現した。現在の人民元の急速な上昇ではすでにオーバーシュートが起きている可能性があり、今後も持続可能とは考えられない上、中国内外の経済・金融情勢にも合致しないだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年6月2日