今年4月以来、人民元の対米ドルレートが上昇を続けている。中国新聞網が伝えた。
5月26日、オンショア人民元とオフショア人民元の対米ドルレートが変動を繰り返しながら上昇。26日現在で、どちらのレートも1ドル=6.4ドルの大台を突破して、ついに6.3元の時代に突入した(1ドルは約109.1円、1元は約17.1円)。
また26日のインターバンク外国為替市場の人民元対ドルレート基準値は6.4099元となり、前取引日から184ベーシスポイント上昇し、約3年ぶりに最高値を更新。6.3元時代にあと一歩のところまで迫った。
昨年5月、人民元対ドルレートは7.1元だった。それから1年後、6.3元の時代を迎えた。
人民元が上昇して、喜ぶ企業もあれば嘆く企業もある。
喜ぶのは輸入企業だ。
元高は輸入企業にとっては好材料だ。
民生銀行の温彬首席研究員は、「人民元レートの上昇により、輸入企業の調達コストが低下し、利益が増加する」と述べた。
特に現在は、一部のコモディティ価格が大幅な値上がりを続け、一連の商品の価格が過去最高を更新し続けており、企業の原材料輸入コストが増大している。そのため、元高になればコモディティ価格の大幅上昇がもたらす圧力も軽減される。
嘆くのは輸出企業だ。
元高は輸出にマイナスだ。輸出製品コストが上昇するため、輸出企業の製品の国際市場での競争力が低下すると同時に、為替リスクが存在して為替差損が生じることもあり得る。
中国外国為替投資研究院の譚雅玲院長は、「人民元の値上がりに加えて、原材料価格の上昇、海上輸送価格の上昇もあり、輸出に大きな影響を与えている。中小規模の対外貿易企業の利益と生き残りの可能性はさらに縮小することになるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年5月27日