雲南省、1億5000万羽のチョウが大発生

人民網日本語版 2021年05月24日15:35

石に止まるチョウ。撮影・李嘉嫻

雲南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州金平県馬鞍底郷に位置する「中国・紅河胡蝶谷」景勝地がこのほど、10年ぶりのチョウの大発生を迎えている。1億5000万羽を超えるチョウの赤ちゃんが1カ月内に羽化し、壮大な光景となる。中国新聞網が伝えた。

雲南省は有名な動植物の王国で、チョウの種類は全国トップの700種余りにのぼる。馬鞍底という200平方キロメートル余りの土地には、全国のチョウの12科のうち11科・400種余りが集まる。うち標本と写真で説明できるのは320種で世界一。

毎年の大規模な羽化シーズンになると、1億羽単位のチョウが繭から出て羽化する。ここでは「チョウがすぐそばで舞う絵のような光景の中を歩く」というロマンチックなシーンを体験できる。

チョウの舞う林の中を散策する観光客。撮影・李嘉嫻

チョウはなぜ大発生するのだろうか。なぜ馬鞍底で発生するのだろうか。

チョウの大発生とは、毎年5-6月にチョウの幼虫が短期間内に大量に羽化し成虫になり、空を覆い尽くす景観のことを指す。チョウの大発生が確認されているのは現在全世界で2ヶ所しかない。1ヶ所はメキシコで、もう1ヶ所は雲南省馬鞍底郷となる。モニタリングによると、馬鞍底郷の今年のチョウ発生規模は1億5000万羽を超える見通しだ。

チョウは環境変化の指標生物で、生息できる場所の条件が厳しい。卵の段階で寄主植物に付着することで十分に保護され、激しい雨や強い日差しの害から免れる。幼虫の段階では、鳥やその他の捕食者から逃れるため頭上を覆う物が必要だ。繭を出ると大半のチョウが花の蜜を吸って生きるが、そのため生息地に多くの被子植物がなければならない。またチョウの羽は、湿度が高すぎる、または乾燥した地域で飛ぶのには適さない。

ルイザワモンチョウの繭。画像提供は楊鎮文

馬鞍底郷は北回帰線以南の熱帯・亜熱帯の切り換わる地域に位置する。標高差が大きく、標高によって気候が大きく異なり、さらに森林率が70%にのぼり、自然保護区が7733ヘクタールある。比較的良好な原生林と複雑で多様な地域環境を留めている。そのためここは自ずとチョウにとって最も理想的な生息地になっている。

チョウの群れを撮影する観光客。撮影・李嘉嫻

今年の「中国・紅河胡蝶谷」のチョウの大発生は20日に始まり、約25日間続き6月中旬に終わる見通しだ。

木の幹に止まるチョウの群れ。撮影・李嘉嫻

野生のチョウを最大限に保護し、より多くの人にチョウの大発生の壮観な風景を見てもらうため、金平県及び馬鞍底郷は積極的に毛花酸枝竹や中華大節竹などのチョウの卵とさなぎの寄主植物、トウワタ、ランタナ、キョウチクトウなど蜜源となる植物の栽培を積極的に支援・模索し、多くの種のチョウの繁殖に「居住地」を提供している。また現地はチョウの個体群の成長の習慣と繁殖期に基づき、全期間チョウ繁殖生態システムを構築した。チョウの大発生の時期を1.5カ月から6カ月に延ばし、観賞しやすくしている。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年5月24日

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