習近平総書記が称賛した青海産「チベットじゅうたん」の秘密は?

人民網日本語版 2021年06月11日17:07

2021年6月7日午後、青海省を視察中の習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は西寧市にある青海聖源地毯集団有限公司を訪れ、製造現場とデザイン部門に足を踏み入れて製品の製造やデザインの工程を視察した。習総書記は、「西蔵(チベット)じゅうたんは特色ある産業であり、みなさんは伝統的工芸と現代の工芸をよく1つに結びつけ、個性化、多様化を求める市場のニーズに一致させた。青海がより多くのこのような特色ある産業を発展させ、イノベーションをよりどころにしてよりよい発展を実現することを願う」と述べた。

6月7-9日、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が青海省を視察した。写真は7日午後、習総書記が青海聖源地毯集団有限公司を視察する時の様子。(撮影・謝環馳)

一見普通のじゅうたんに見えるチベットじゅうたん その隠された秘密は?

1959年、青海省海西蒙古(モンゴル)族藏(チベット)族自治州都蘭県諾木洪村の塔里他里哈遺跡から紀元前10世紀の毛織物とスピンドル渦巻きが大量に出土した。その中には毛で作られた縄や布、彩色された毛織りの敷物の残片もあった。この残片は3千年の時を経ながら、黄、茶、赤、青など色とりどりの毛で織り出された縞模様がはっきり見られる状態だった。考証の結果、原材料は青海省のチベット系羊の毛であることがわかり、青海の先住民が数千年前にチベットじゅうたんの製作技術を確立していたことが証明された。そして今、幾千年にわたり伝えられたチベットじゅうたんの技術は絶えずイノベーションと発展を遂げ、青海省の特色ある産業のシンボルになった。

中国(青海)チベットじゅうたん国際展示会が今月6日に同省西寧市で開幕した。2004年に初めて開催されてから今年で18年目になる。17年だけでも取引の契約額は1億9600万ドル(1ドルは約109.4円)に上った。

チベットじゅうたんは典型的な労働集約型産業で、試算によれば、チベットじゅうたん産業の輸出額が1万ドル増えるごとに、16人の雇用が生まれるという。同省の農牧業エリアは現代型工業が少ないが、労働力は豊富にあり、じゅうたん製造と産業による貧困者支援とを結びつけて、農牧業従事者の持続的で安定した収入増を支援し、現地の農牧業従事者の就職難の問題を解決することができただけでなく、チベットじゅうたんの継承者を増やし、民族文化の伝承力を増強することにもなった。

青海チベット文化博物院に展示されたチベットじゅうたん。(撮影・楊霆)

青海省は中国の5大牧畜エリアの1つとして、発達した牧畜業がチベットじゅうたん産業に豊富な高品質の原材料を提供した。青海聖源地毯集団有限公司の薛■(女へんに亭)会長は、「当社は毎年、青海省各州・県の牧畜エリアで原材料を回収し、農牧業従事者の収入を増やすと同時に、現地の資源を発掘し、青海オリジナル製品のさらなる開発のための基礎を打ち立てている」と述べた。

原材料は無染色、無添加で、手紡ぎの「西寧大白毛」やヤクの毛糸を使い、手作業で織り上げたじゅうたん製品について、中国じゅうたん協会の陳亜麗副事務局長は、「原材料の選択にしろ、手工芸の技術にしろ、チベットじゅうたんの加工製造は生態環境への汚染ゼロをほぼ達成している。チベットじゅうたんは誕生した時からエコノロジー産業だった。多くの農牧業地域がチベットじゅうたん産業の発展を通じて、経済発展スタイルを転換させ、その他の汚染をもたらす従来産業の就業者を減らし、地域の生態環境を改善した」と指摘した。

またチベットじゅうたんの消費では「個性に合わせたオーダーメイド」が新たなトレンドになりつつある。薛氏は、「ビッグデータの計算を通じて、消費者のためにそれぞれのインテリアの雰囲気に合わせた模様をデザインできる」と述べた。

薛氏は今後の取り組みについて、「広大な牧畜エリアとの交流協力をさらに深化させて、原材料の現地ならではの価値を深く掘り下げ、労働者が自宅での就労するスタイルを周囲にも広げていく」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年6月11日

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