東京2020オリンピック

五輪金メダルの裏にある宇宙技術とは?

人民網日本語版 2021年07月30日14:32

試験の準備をする張雨霏選手。

29日午前に行われた東京五輪競泳女子200メートルバタフライの決勝戦で、中国選手の張雨霏が新たな五輪記録となる2分3秒86の成績で金メダルを獲得した。80分後、張雨霏はチームメイトの楊浚瑄、湯慕涵、李氷潔と共に女子4×200メートルリレーに出場し、7分40秒33の成績で世界記録を更新した。科技日報が伝えた。

五輪選手が記録更新し金メダルを獲得したことに歓喜の声を上げる人々は、この得難い競泳金メダルの裏には宇宙技術があったとは想像しがたいだろう。

中国航天科技集団九院への取材によると、国家体育総局は2019年12月に同院にプロジェクトニーズを提示していた。先進的な宇宙技術を使い、精密な測量製品を開発し、競泳選手の科学的な練習を強化することで競技の成績を上げてほしいとした。

技術の研究開発と持続的な改善により、同集団九院13所時代光電公司が開発した運動測量製品が順調に完成した。製品には慣性航法サブシステム、測位・速度計測サブシステム、動画撮影サブシステム、データ総合分析サブシステムの4部分が含まれ、それぞれ選手の姿勢の測量、位置・速度の測量、運動動画撮影及びデータ統合ソリューション、3次元モデル駆動機能を実現できる。

うち慣性航法サブシステムは中核を担う部分として、主に運動の姿勢情報を測量し3次元姿勢パラメータを出力する。選手の1秒毎の姿勢、呼吸状況及びプール内の1往復毎の水をかく頻度、その幅と回数、ターンにかかった時間など複数種類の技術パラメータを取得し、すべての動きの細分化した量的な評価を実現する。

国家競泳代表による今年上半期の東京五輪の準備期間中、時代光電公司の運動測量チームは独自に研究した運動測量製品を携え、国家競泳代表に協力し優秀選手風洞試験を行った。張雨霏、楊浚瑄、徐嘉余、劉湘、閆子貝、余依婷の6人の選手が試験に参加した。

試験は競泳で受ける流れをシミュレートし、典型的な泳ぐスピードにおける異なる技術動作の姿勢や抵抗力のテストを展開した。試験者と選手の緊密な協力により、6人の直立時の股の異なる角度の試験と、泳ぐ姿勢の異なる技術動作の試験を行った。運動測量製品は全プロセスで正常に作動し、順調にすべてのデータを収集した。典型的な泳ぐスピードにおける選手の異なる姿勢が受ける抵抗力の法則を解明し、コーチのトレーニングプランの決定、選手の体の流線型の改善、技術動作の最適化に科学的根拠を提供した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年7月30日

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