ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)と国連グローバル・コンパクト(UNGC)が共同で作成した研究報告書「企業のカーボンニュートラルルートマップ——パリ協定と国連の持続可能な開発目標の実施の道」が、27日に北京で発表された。同報告書によると、ますます多くの国がカーボンニュートラルをめぐって立法作業と政策プロセスを加速させており、予測では2025年には世界の二酸化炭素(CO2)排出量の約75%が立法や行政手段によって厳格な管理監督下に置かれるという。中国新聞網が伝えた。
同報告書は7章に分かれており、次のような内容が含まれている。▽現在の世界各国のカーボンニュートラをめぐって打ち出した関連の法律法規・政策の整理▽企業のカーボンニュートラルルートマップ制定における3つの重要プロセスである炭素排出ベースラインの精査、排出削減目標の設定、排出削減措置の設計に関する詳しい説明▽米州、欧州、アジア、アフリカの企業55社(国連のグローバル・コンパクト会員企業34社を含む)の先進的な実践例を収録▽エネルギー使用側の、排出が最も密集する交通輸送、農業・食品、工業・製造業、建築、デジタル情報、金融サービスの6大インフラ業界に焦点を当て、それぞれの炭素排出削減実現のための重要措置の詳しい整理など。
同報告書の指摘によれば、人類の活動によって大気中に排出された温室効果ガスが日に日に増加し、地球温暖化がかつてないペースで進行し、地球に対する非常に大きな挑戦となっている。カーボンニュートラルを実現すること、つまり人為的な汚染物質の排出を削減し、同じ量の炭素から汚染物質を除去して余剰の温室効果ガスの排出のバランスを取ることが、各方面にとって逃れることのできない責任になっており、これに関連した行動を取ることが一刻の猶予も許されない急務になっている。
同報告書によると、各国政府は「パリ協定」などの国家間の枠組みに加わることを基礎として、その上で相次いで立法や行政・政策手段を通じ、自国内で多様化措置を採用して気候問題に対応し、地球温暖化の影響を共同で軽減しようとしている。統計によれば、2021年4月時点で、世界の33ヶ国・地域が関連の法律を公布する、法案を提出する、または行政政策文書を打ち出すなどしており、世界の総排出量の66%をカバーするという。
同報告書は分析に基づいて、普遍的なカーボンニュートラルの重点措置9項目を打ち出した。エンドーツーエンドのネットゼロへのモデル転換プロセスをカバーするとしており、さまざまな業界の企業の参考になり、それぞれの業務を実現しながらバリューチェーンにおけるカーボンニュートラルの実現をサポートをする上でプラスになる。
重点措置9項目とは次の通り。▽ネットゼロの目標を精査し設定する▽企業運営におけるエネルギー効率を最適化する▽業務運営における再生可能エネルギー使用を増やす▽グリーン建築を使用する▽グリーン作業方式を提唱する▽サプライチェーンの脱炭素を支援する▽持続可能な製品を設計する▽川下のグリーン物流サービスを採用する▽その他の業界の脱炭素製品・サービスを推進・サポートする。
同報告書は、「カーボンニュートラルのルートマップを執行すると同時に、長期的な視野をもつ企業はさらに前もって展開を進め、気候をめぐるテクノロジーに投資し、より長期的な人類の運命のために幸福をもたらすべきだ。潜在的な気候技術投資の方向性は9つあり、▽自動運転技術▽炭素回収・利用・貯留技術▽電気自動車技術▽エネルギー貯蔵技術▽水素エネルギー・燃料電池技術▽断熱材▽高効率太陽光発電材料▽海上風力発電技術▽超伝導技術、となっている」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年7月30日