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菌草技術を全世界に広める、80歳近くの科学技術特派員

人民網日本語版 2021年07月29日08:16

福建農林大学国家菌草工学技術研究センター首席科学者で、科学技術特派員の林占熺氏は23日、取材に対し、「30数年にわたるたゆまぬ努力により、中国は木の代わりに草を使ったキノコ産業の発展、飼料の代わりに牧草を使った畜産業の発展の面で大きな進展を遂げた。今や菌草技術は菌草菌類肥料、菌草バイオマスエネルギー、菌草バイオマス材料などの分野に拡大している。菌草は生態ガバナンスでも成果を上げている。中国の砂嵐4大発生地の一つである内蒙古(内モンゴル)自治区阿拉善の菌草防風・砂漠化対策拠点は、菌草による砂漠化対策で画期的な進展を遂げており、社会各界から認められている」と述べた。科技日報が伝えた。

林氏が開発した菌草技術はすでに31省の500以上の県・市で推進・拡大されている。菌草技術は2017年5月、国連によって中国・国連平和発展基金の重点プロジェクトに指定され、世界に向けて推進・拡大され、今や世界106カ国に広がっている。

福建省と寧夏回族自治区は1997年、菌草技術を福建の寧夏ペアリング支援プロジェクトに指定した。技術は彭陽県で成功を収めた。

林氏は1999年、チームを率いて200世帯余りの農家を組織し菌草生産を行った。彼らが一対一の形で科学技術サービスを提供することにより、第1陣・14世帯の菌草生産農家が成功を収め、キノコを生産した。

寧夏支援のこのプロジェクトは、20年以上にわたり続けられている。寧夏の石嘴山市は今年4月、初の産業菌草科学技術イノベーション産業パークを設立した。林氏のチームはアルカリ性土壌で菌草を栽培し、周辺住民の雇用を創出した。

林氏のチームはさらに今年の6月1日、内モンゴル磴口県で2カ所目の菌草科学技術イノベーション産業パークを設立した。林氏は、「ここではまず砂漠の拡大を食い止め、生態ガバナンスを行わなければならない。同時に植物、動物、菌物の『3物』の総合発展が必要だ。我々はさらに延安の南泥湾、河南の武陟県で菌草科学技術イノベーション産業パークを設立する予定だ。今後はさらに全国各地で菌草科学技術イノベーション産業パークを設立し、エコ建設とグリーンな発展を推進し、農村振興の絵画を実現させる」と述べた。

林氏は「私の目の黒いうちに菌草技術を菌と草の学際的な新学科、菌草学に発展させたい。黄河両岸で千里の菌草生態バリアを構築し、母なる川を人々に福をもたらす幸福の川にし、生態菌業を戦略的意義を持つ新興産業に発展させる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年7月29日

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