中国銀行業協会(CBA)とプライスウォーターハウスクーパースはこのほど共同で、「中国銀行家調査報告(2021)」を発表した。中国銀行業の各種機関の銀行家1794人に対してアンケート調査を行った。
最も資金を引き寄せた業界は何?
調査によると、21年に貸し出しによって重点的な支援が行われた業界のうち、上位5位に並んだのは医薬業、情報技術サービス業、インフラ業、機械製造業、宇宙航空業だった。
企業向け金融業務発展の重点についてたずねると、銀行家の74.5%が「小規模・零細企業への貸し出しが銀行の企業向け金融業務の重点」と答え、10年連続で首位に立った。
個人向け金融業務発展の重点についてたずねると、銀行家の65.7%が「資産管理が個人向け金融業務発展の最重要点」との見方を示した。例年と比べると、資産管理が首位に立ったのは今回が初めてのことで、注目度が明らかに高まったことがわかる。
最も懸念されるリスクは何?
調査によると、信用リスクは銀行業の最も基本的かつ最も重要なリスクであり、銀行家が最も注目するリスクだという。
21年に銀行家が所属する銀行のどのリスクに注目したか、点数化した結果(リスクは1-5点で評価、最低1点、最高5点)を見ると、信用リスクへの注目度が2.69点になり、他のリスクを明らかに上回った。2番目は市場リスク、3番目はコンプライアンス・リスクだった。
21年は各種リスクの平均得点が20年より26.6%低下したことが注目される。専門家によると、これは主に経済の持続的な回復に伴って、銀行業が全体として安定した発展を遂げたためだという。
同協会党委員会の邢煒書記は「リスク対策は金融業にとって永遠のテーマだ。銀行業はたゆまずに金融リスク対策を行い、先見性を持って不良資産の揺り戻しを防止しこれに対処しなければならず、システマティックな金融リスクを発生させないという最低ラインを断固として守り抜かなければならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年3月11日