中国華能によると、世界初のペブルベッド型高温ガス炉である華能石島湾高温ガス炉モデルプロジェクトが電力網に接続し発電を開始した。これは世界で初めて電力網に接続し発電を開始した第4世代高温ガス炉原発プロジェクトであり、中国が第4世代原発技術を確立した少数の国の一つになったことを示している。同時に中国は世界の原発技術のリード役になったことを意味する。
華能石島湾高温ガス炉モデルプロジェクト。画像は取材先が提供
高温ガス炉は清華大学原子力・新エネ技術研究院が独自に研究開発した固有安全性を持つ第4世代先進原子力技術だ。高温ガス炉モデルプロジェクトは中国の「国家科学・技術中長期発展計画綱要(2006-20年)」の16件の国家科学技術重要特定プロジェクトの一つで、華能集団、中核集団、清華大学が共同出資し企業を設立し、共同で実施したものだ。設計設備容量は20万kWで、2012年末に山東省栄成市で着工された。
華能石島湾高温ガス炉モデルプロジェクト。画像は取材先が提供
中国華能の関係責任者は、「同モデルプロジェクト1号機は現在、着実にフル稼働に向かっている。2号機の電力網接続・発電開始前の各種テストが秩序正しく展開されている。2基は来年中ごろに全面的に商業運営に入る見込みだ。同モデルプロジェクトの設備の国産化率は93.4%。初めて導入した設備は2200台(セット)以上、革新的設備は600台以上にのぼる。中国独自の第4世代高温ガス炉原発標準体制と知的財産権保護体制を大まかに構築している」と述べた。
業界関係者によると、高温ガス炉は固有安全性、発電効率、環境適応性が高く、複数のモジュールを柔軟に組み合わせられるといった特徴があり、原子力発電、熱電冷併給システムなどの商業化応用に明るい見通しを持つ。中国のエネルギー構造の最適化、エネルギー供給の安全保障、二酸化炭素排出量ピークアウトとカーボンニュートラルを達成するための重要ルートとなる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年12月21日