何かの目的を達成するためにあちこち奔走することを、中国語では「天に昇り、地面に潜る」と表現するが、人類は現時点で、宇宙船で「天に昇る」ことは実現したものの、「地面に潜る」ことはほとんど実現できていない。「地球の裏側までトンネルを掘るにはどれくらいかかるだろう?」と考える人もおり、「希望を抱くことは良いこと」と言われるが、地球の裏側までトンネルを掘ることを実現するのは難しそうだ。科普中国が報じた。
これまでに掘られた世界で最も深い穴は1万2263メートルだ。人間の現時点でのテクノロジーレベルでは、本当に地球の裏側までトンネルを掘ることはできない。これまでに掘られた最も深い穴は12キロといっても、実際には、地球の表層部である地殻さえ越えておらず、地球にとっては、その穴は痛くも痒くもない程度の深さにすぎない。
地殻を越えて上部マントルに達すると、温度は400度に達する。人類にとって、この時点で十分に恐ろしい温度であるものの、引き続き掘削を続けると、下部マントルの温度は2000-3000度に達し、マントルを越えて、外核、内核へと達すると、その温度は5500度と、太陽の表面とほぼ同じ温度になる。この温度は当然ながら人類が生存できる温度ではないばかりか、どんなものでも一瞬にして溶けてしまうほどの温度となる。
つまり、地球の内部は非常に深いだけでなく、温度が極めて高く、人類の現時点での技術レベルでは到底裏側まで掘り進めていくことはできない。これは極めて難しいことであり、太陽系の外に飛び出ることよりも難しいと言えるかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月28日