上海野生動物園は今月22日、ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉園してからの70日間、スタッフ約300人が1万匹以上の動物を世話する様子を伝えるスペシャルライブ配信を実施した。実は、同動物園は4月初めから、TikTokを通して、閉園中の同動物園の動物の暮らしの様子をライブ配信してきた。そしてこの約2ヶ月間の約90回の配信を、累計で1000万人以上が視聴してきた。光明網が報じた。
ライブ配信する上海野生動物園・動物管理部の兪錦華副経理。
同動物園は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月12日から閉園となり、4月初めから毎日、TikTokで2時間のライブ配信を実施してきた。ネットユーザーはライブ配信を通して、カバの歯磨きやトラのエサやり、タケノコを食べるパンダ、ブドウを食べるゴリラなどを視聴することができる。1回目のライブ配信の視聴者数は100-200人だったものの、今では1回当たり1-2万人にまで達している。同動物園のパーソナリティ担当・邵辰輝さんは、「ライブ配信で動物園をオンライン見学するネットユーザーがどんどん増えている」と話す。
エサやり装置に入っているエサを食べるキリン。
ライブ配信を見ると、同動物園動物管理の兪錦華副経理が、「皆さん見てください。これは、キリンのために作ったエサやり装置です。木の葉を高い位置に吊るしてキリンに与えることができます。一見すると簡単な作りですが、野生のキリンがエサを食べる過程を模倣しています。キリンは首を上に伸ばして木の葉を食べることができ、同じ動きを繰り返す行動を防止できます」と説明していた。兪副経理は、30年以上動物関係の仕事に携わっている専門家で、「何を尋ねても答えてくれる動物のイクメン」と呼ばれている。ライブ配信の過程で、動物に関する知識をしっかりと伝えるために、同動物園は、経験豊富な技術者をパーソナリティに起用しており、兪副経理もそのうちの一人だ。
今月22日のライブ配信では、キリンにエサをあげる装置のほか、パンダのために作ったエサ入りの「ブラインドボックス」、霊長類の動物がよじ登るアスレチック、レッサーパンダの筋トレグッズなどが紹介された。
エサ入りの「ブラインドボックス」を必死に開けようとするパンダ
同動物園のオランウータンは、ライブ配信中に「故郷」の特産品であるドリアンを食べていた。オランウータンは主に、ドリアンが特産品であるインドネシアやマレーシアといった熱帯地域に生息している。
動物園がライブ配信を通して、ネットユーザーに楽しいひと時を提供し、一方のネットユーザーも、「今日は上海野生動物が楽しい気分にしてくれた」や「午前中はずっとオンラインで野生動物園を見学し、とても楽しかった。イエイ!午後はチーターを見よう!」といった、ほっこりした気持ちにさせるコメントを寄せており、ずっと動物園の中で過ごしているスタッフたちにとっては元気の源となっているという。
生まれて3日目のライオンの赤ちゃんの世話をする00後(2000年以降生まれ)の飼育員・孫時奇さん。
大人気となって、1千万人以上が視聴し、動物園はチップ支払いによる一定の収入も得ており、邵さんは、「ネットユーザーの応援に感謝している。これらの収入は今後、動物園が統一して管理し、計画して、合理的に使用する」と話している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年5月27日