6月20日に全線開通した鄭渝高速鉄道の重慶奉節県・梅渓河双線特大橋を走る高速鉄道。
6月20日7時32分、北京西駅に向かうG52号列車が重慶北駅から出発した。同列車は、全線開通した鄭渝高速鉄道の重慶から出発する1本目の列車となった。長江の「三峡」である瞿塘峡、巫峡、西陵峡への観光旅行というと、これまでは船を利用する人が多かったが、今後は高速鉄道で行くことができるようになった。
中国の「八縦八横」高速鉄道網の重要な部分を占める鄭渝高速鉄道は、中国西南エリアの高速旅客輸送ルートでもあり、全長1068キロ。河南省、湖北省、重慶市の3省・市を結ぶことになる。またこれにより北京‐重慶の所要時間が最速で6時間46分、鄭州‐重慶が最速で4時間23分、武漢‐重慶が最速で4時間57分に短縮された。
都市群が繋がりさらなる発展をバックアップ
鄭渝高速鉄道が全線開通し、中原都市群と成渝(成都・重慶)地区ダブルシティ経済圏が繋がり、重慶と長江中流都市群、京津冀都市群のアクセスも一層緊密になった。
西南エリアは、河南楽凱華光印刷科技有限公司にとって重要な業務地域だ。鄭渝高速鉄道が開通したことを、同社業務経理の高建さんはとても喜んでいる。そして、「以前は重慶に出張に行くのに、列車に13時間乗らなければならなかった。しかし、今では日帰りで出張できるようになった。雲南省や貴州省、四川省などに行くときにも、以前は迂回して西安を経由しなければならなかったが、今はついに直通で行けるようになった」と気持ちを高揚させながら話す。
重慶万州区経済・情報化委員会の汪海雲主任は、「鄭渝高速鉄道が開通したことは、重慶にとって、中・東部エリアや成渝エリアの産業移転の積極的な受け入れにつながる。中・東部の企業がもたらす新技術や新製品、新工芸を活用し、工業のモデル転換・高度化推進を加速させることができる」と強調する。
観光が一層便利になり農村に活力もたらす
鄭渝高速鉄道が開通したことで、河南省の南陽市、平頂山市、湖北省の南漳県、保康県、神農架林区、興山県、巴東県、重慶の巫山県、奉節県、雲陽県も高速鉄道時代に突入した。
鄭渝高速鉄道が繋ぐ河南省南西エリアや湖北省北西エリア、重慶北東エリアは、経済がそれほど発展していないものの、観光資源が豊富にある。例えば、医聖祠や神農架、万州大瀑布などは、有名な観光名所であるものの、これまでは交通アクセスの不便さが多くの観光客に二の足を踏ませていた。
巫山旅発集団の李雪峰董事長は、「これまで、長江の「三峡」を眺めるのは船上からだったため、観光客はホテルに泊まったり、買い物をしたりすることはほとんどなかった。しかし、今は巫山県に高速鉄道が開通した。観光客に当県で宿泊し、観光を満喫してもらえるよう、私たちも努力しなければならない。観光客を呼び込むために、当県は、レクリエーション・リゾート、生態ウエルネスツーリズムを打ち出し、ホテル39軒、農家民宿685軒を新たに建設、または改築した」と説明する。
鄭渝高速鉄道が開通して、沿線地域の美しい景色や豊かな物産、奥深い人文と、市場との距離がますます縮まった。人々は豊かな暮らしをもたらす新たな道を求めており、農村振興の歩みも日に日に速度を速めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年6月22日