仕事が順調なので、ミルクティを注文して自分へのご褒美にする。考えが行き詰まったので、ミルクティを注文してはやる気持ちを落ち着かせる。朝は1杯のミルクティを手に会議室に入り、午後はミルクティを注文して退社時間までがんばる。
ミルクティは日常生活の隅々に入り込み、どこにいても、必ず自分のためにミルクティを注文する理由が見つかる。
そんなミルクティの世界に、最近、いくつかの変化が生じている。
これまで500ミリリットル入りが一般的だったミルクティが、ある日突然、バケツタイプの容器に入った1リットルの大容量に変わった。
バケツ入り大容量ミルクティには「覇気」、「大容量」、「スーパー」などの名前が付けられ、豪快にごくごく飲める感じが伝わってくる。
バケツ入りはミルクティだけでなく、フルーツティもあれば、4リットル入り緑豆フラッペや4リットル入りココナツウォーター、さらに大容量の超大型バケツ入りコーヒーもあり、SNSの話題をさらっている。
大容量になったバケツ入り茶飲料が、今年の夏の街角の風物詩となっている。
バケツ入りミルクティはなぜこんなに人気なのか。
まず価格を見ると、どの店のバケツ入りフルーツティも、容量は大きくなったが、価格は10-20元(1元は約20.5円)に集中する。普段は平均して30元以上する高級ミルクティブランドも20元以内のバケツ型商品を打ち出し、コストパフォーマンスの高さを感じさせる。
次に酷暑で、バケツ入りフルーツティを見ると渇きを癒やせる、すっきりする、ごくごく飲めるなどといった心理的な満足感が得られ、一目見ると飲みたくなる。
さらに新タイプの茶飲料は女性の消費意欲と消費能力の高まりを背景とした「彼女経済」の下で商品の細分化が進み、ミルクティを飲む女性と化粧品を購入する層がかなり重なっていることから、創造性あふれるマーケティング担当者はこれを踏まえてSNSで推進・拡大をはかった。しかし「90後(1990年代生まれ)」が成長して、小さい頃ミルクティを好んで飲んでいた層が大人になった時、ミルクティは新しいマーケティングスタイルで人々の「シェアしたい気持ち」に応えることが必要になった。バケツ入りミルクティはSNSでのシェアリングに対する新たな要求にぴたりとはまった。
調査会社の艾媒諮詢が最近発表した「2022年上半期中国新スタイル茶飲料業界の発展の現状と消費のトレンド調査分析報告」によれば、2022年には中国の新タイプ茶飲料の消費者の94.0%が「新式茶飲料を毎週購入する」と答え、最もよく購入する商品の価格帯は16-20元で、41.9%を占めたという。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年7月19日