2022年江源総合科学調査が7月24日、青海省玉樹蔵(チベット)族自治州で始まった。今回の科学調査は長江源と瀾滄江源地域の定位置「健康診断」を実施する。中でも氷埋蔵量と湿地の炭素ストックの調査が今回の重点となる。新華網が伝えた。
24日、瀾滄江源地域の扎曲で底生動物のサンプルを採取する長江科学院の科学調査隊員。撮影・肖芸九
今回の調査内容には、氷河、河川水文、泥砂、川の流れ、水環境、水生態、水資源、土壌侵食、凍土、地形などが含まれる。氷河調査は重点内容の一つだ。今回の科学調査に先立つリモート調査を踏まえた上で、地中レーダーなどの技術により氷河の厚さを測定し、氷埋蔵量を大まかに計算する。これは未来の河川の流量変化の予測に基礎的な研究資料を提供する。
今回の科学調査ではさらに、長江源湿地の炭素ストックを重点的に調査する。科学調査隊は打ち杭サンプリングなどの方法により、湿地の水域、植生、土壌の炭素ストックのバックグラウンド調査を行い、湿地の炭素ストック研究の基礎を固める。
24日、瀾滄江源地域の扎曲で魚類のサンプルを採取する長江科学院の科学調査隊員。(撮影・肖芸九)
青蔵高原(チベット高原)生態系の重要な構成部分としての長江源・瀾滄江源地域は、気候変動に敏感に反応する生態環境が脆弱なエリアで、流域の気候システムの安定、水資源の保障、生物多様性の保護、生態系の安全に重要な影響を及ぼす。
長江水利委員会長江科学院の徐平チーフエンジニアは、「今回の調査は長江源・瀾滄江源地域の生態環境の現状をさらに把握し、長江大保護、三江源国家公園の建設、長江源・瀾滄江源地域の『水・生態・環境』の変化及び順応的保護対策の研究に基礎データを提供する」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年7月26日