日本が原発汚染水130万トン海洋放出 どんな被害を及ぼすか?

人民網日本語版 2022年07月25日17:08

7月22日、日本の原子力規制委員会は22日、東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染水の海洋排出計画を認可した。昨年4月には、日本政府が同原発の汚染水約130万トンを濾過・希釈した後で海洋に放出すると決定した。海は地球の生命のゆりかごであり、100万トン規模の放射能汚染水が海に流されれば、海に対して、さらには人類に対して、どんな被害を及ぼすだろうか。

こうした放射能汚染水とは、福島第一原発で事故が発生した後、炉心が溶けるのを防ぐため、原子炉に注入された冷却水のことだ。絶えず流れ込む雨水と地下水も含まれる。国際社会の懸念を払しょくするため、日本は海洋放出の「安全性」を声高に主張し、日本政府も東電も多核種除去装置(ALPS)という濾過装置を使用するので、放射性物質62核種を取り除くことができるとしている。ただトリチウムを水中で取り除くことは難しい。

公開された資料によると、人間がトリチウムに被ばくし続ければ、細胞死やDNAの損傷が起る可能性がある。その上、「ALPS」の実際の効果は言われているほど高いものではない。2020年3月までに、この設備で処理した放射能汚染水の約70%は放射性物質濃度が排出基準を超えていた。

日本では原発からの排水のトリチウム規制濃度基準は海水1リットルあたり6万ベクレルとなっている。東電は汚染水のトリチウム濃度は基準の40分の1以下に希釈されていると言うが、多くの科学者や環境保護団体が、「これまでに前例のないケースで、放射能汚染水の量の膨大さと現在の技術的限界により、放出される汚染水が海洋の環境と人類の安全にどのような潜在的な被害をもたらすか、今はまだ予測できない」との見方を示す。

国連有害物質及び廃棄物の環境面での適切な管理及び廃棄の人権への影響に関する特別報告者(有害廃棄物特別報告者)のマルコス・オレラナ氏は、「日本は放射能汚染水を処理し、放射性物質は受け入れ可能な国際基準内まで抑えられると言うが、処理の過程は『高レベル放射性廃棄物(液体)の処理システム』であり、技術的な限界があり、すべてがうまくいくと保証することはできない」と述べた。

放射性汚染水は一度海洋に放出されれば、福島県沖の海洋を汚染するだけでなく、隣国の海域にも影響を及ぼし、さらには地球の海洋生態環境にマイナス影響を与えるだろう。ドイツの海洋科学研究機関は、「福島県の沿岸には世界で最も強い海流が存在し、汚染水が海洋放出されてから57日以内に、放射性物質は太平洋の大半の地域に広がり、3年後には米国とカナダにも放射能汚染の影響が及び、10年後には世界中の海域へ広がり、世界の魚類の移動、遠洋漁業、人類の健康、生態系安全保障など多くの面にも影響を与え、人類社会の海洋の生態環境の健全性にどれほどの潜在的な脅威を与えるか予測は困難だ」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年7月25日

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