中国国務院新聞弁公室が今月27日に開いた記者会見で、今年上半期、中国では全体的に強力、かつ効果的にエネルギー供給が確保されたことが明らかになった。下半期、エネルギー消費は依然として増加傾向をキープし、増加ペースはやや加速する見込みだ。特に、暖を取る必要のある冬に入ると、電力や石炭、天然ガスの需要がさらに高まりそうだ。
昨年以来、世界のエネルギー情勢が混迷し、欧州の多くの国が石炭火力発電を再開すると発表している。こうした状況下で、中国は二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトをめぐる目標を予定の時期に達成することはできるのだろうか?中国能源(エネルギー)局の章建華局長は、「2030年までにその目標を達成する能力も、自信もある」と強調した。
そして、「世界のエネルギー情勢が混迷する中、中国は非化石エネルギー発展強化の手を緩めることはない。昨年、非化石エネルギーがエネルギー消費総量に占める割合が15.9%から16.6%まで0.7ポイント上昇した。2030年まで、その割合は年間平均1ポイントのペースで上昇し続けるだろう」としている。
中国北方エリアはすでに、クリーン暖房の目標を前倒しで達成している。具体的には、クリーン暖房の面積は156億平方メートルで、クリーン暖房率は73.6%、使われなくなった家庭用石炭は累計1億5000万トンに達し、PM2.5濃度低減や大気の質改善への寄与率は33%以上に達している。また、今年6月の時点で、電気自動車の充電設備が累計で392万台設置され、世界最大規模の充電インフラとなっている。2025年には、電気自動車2000万台の充電のニーズを満たすことができる見込みだ。
章局長によると、エネルギーの安全を保障するのを前提に、グリーン、低炭素なエネルギーへのモデル転換を継続的に推進し、CO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの目標達成を目指し、恒久的に、エネルギーの安全で安定した供給を実現するというのが、中国のエネルギー発展の全体的な構想となっている。
このような構想を導きとし、化石エネルギー消費量が右肩下がりで減少し、風力発電や太陽光発電は成長が最も速い再生可能エネルギーとなり、供給量が増えたエネルギーに占める割合が高まっているというのが、中国のエネルギー発展の動向となっている。ただ風力発電や太陽光発電は現時点では不安定で、安定して連続的に出力することはできない。そのため、エネルギーの安定した供給を確保するために、エネルギーの発展と改革に取り組むうえで、発展と排ガス減少、全体と局部、短期と中長期のバランスに注意しなければならない。
今後しばらくの間、中国のエネルギー需要は高まり続けると予想されているため、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を達成するためには、非化石エネルギーを大々的に発展させ、新型電力システム構築を推進し、非化石エネルギー、特に新エネルギーと化石エネルギーの相互補完、組み合わせの最適化を統一して計画しなければならない。その他、エネルギー消費総量において、非化石エネルギーが占める割合がますます高まっているため、エネルギーの安定した供給を実現するために、化石エネルギーが基礎の部分を調節する役割を果たすようにしなければならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月28日