河北省張家口市張北県玉狗梁村には、田畑にマットを引いてヨガを楽しみ、健康づくりをしている高齢者がたくさんいる。村に行ってみると、高齢者たちはスカーサナや倒立、ハラーサナといったポーズを楽々と決めていた。人民網が報じた。
ヨガで話題を集めている玉狗梁村はかつて国家級貧困村だった。2015年の時点で、村の総世帯数は193世帯、住民は457人で、うち85世帯254人が貧困者登録され、その貧困発生率は55.7%に達していた。また、病気で貧困に陥った人が貧困人口の60%以上を占め、常駐村人口の約100人のほとんどが高齢者と女性だった。
高齢者がなぜヨガ?
2016年2月、石家荘郵電職業技術学院のターゲットをしぼった貧困者支援活動グループが玉狗梁村にやって来た。盧文震さんは取材に対して、「初めて各世帯を訪問した際、今も伝統的なオンドルがあるのに気付いた。そして、そこに胡坐をかいて座っているのを見て、都市の人々のヨガのポーズを思い出した。そして、みんなにヨガをしてもらうことを思いついた」とする。
そこで盧さんは、みんなにヨガをして健康づくりをしてもらい、将来的にはブランドビルディングもして、投資誘致や貧困脱却、豊かな暮らしを実現するという目標を描き出した。
そして、始めは7-8人がヨガをするようになり、その後60-70人にまで増え、これまで7年間続けてきた。高齢者たちは家のオンドルや田畑でヨガのポーズをスムーズに決め、倒立のできる70歳の人や開脚ができる80歳の人も多い。そして、玉狗梁村の高齢者たちがヨガをしていることが次第に知られていくようになった。
盧さんは2017年初め、中国国家体育総局社会体育指導センターから電話でこれからも続けるようにと励ましの電話を受け、教材も郵送されてきたという。また、全国ヨガ推進委員会も公式サイトで、玉狗梁村を「中国でヨガが最も盛んな村」と称えた。
ヨガを利用して病気で貧困に陥るという苦境から抜け出し、さらに、産業の発展にまでつなげた。盧さんは、村民が「玉狗梁」を商標登録し、キヌアを栽培し、さらに小型キヌア加工工場を建設するようサポートしてきた。工場では今、試験生産が始まっている。本格的な稼働が始まると、雇用創出ができると期待されている。
玉狗梁村で貧困者登録されている村民の純所得は、2015年の一人当たり2800元(1元は約19.8円)から、2021年には1万3790元にまで増えた。ヨガを初めてから7年の間に、高齢者は次第に健康になっていき、産業発展の活力も次第に盛んになるなど、村では少しずつ変化が生じ始めている。
常淑美さん(86)は取材に対して、「毎日みんなと一緒にヨガをするほか、自炊し、家を片付け、毎晩ライブ配信プラットフォームでカラオケも1時間以上している」と話した。
新たな任期に入った村の中国共産党支部委員会と村民自治委員会は、「ヨガで村を振興し、ブランド化して豊かな村を作り、グリーン発展を目指す」という新発展理念を掲げているほか、「ヨガウエルネス村、中国健康づくり・ヨガモデル村、中国でヨガが最も盛んな村」を作る発展計画を制定している。また、地方政府は同済大学建築学院の教員や学生に、村づくり計画制定をサポートしてもらっている。かつては貧困に悩んでいた玉狗梁村は今、活気にあふれるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月18日